役にたたない日々

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本棚登録 : 257
レビュー : 53
著者 :
ajiねえさん  未設定  読み終わった 

若いころ”オバタリアン”なんてことばも流行っていて、おばさんになるのはいやだなぁ~と思ってたような気がする。だが実際おばさんといわれる年令になってみたら、案外おばさんて悪くない。おばさんが何をしようが他人は気にしていないことがわかるし、この先生きていく時間はこれまで生きてきた時間より短いので、躊躇わなくなる。躊躇ってやめちゃうなんてもったいない。やってみたらあると思っていたハードルは、意外とひょいっと越えられることにも気づいたし。そうしたら、バアさんになった68才はどうやらもっとすごいみたいだ。「この先長くないと思うと天衣無縫に生きたい、思ってはならぬことを思いたい」
そうはいっても老いは酷だし、癌ともつきあってかなきゃならない。痴呆で寝たきりの母親もいる。佐野洋子はときにぷんぷん怒りながら、ときには声をあげて泣きながら、またあるときは韓流スターに熱をあげて舞いあがりながら、余生を楽しく生きている。そう、癌で余命二年の宣告を受けた時さえ、十数年苦しめられたうつ病がなおり、人生が急に充実してきたという。「死ぬとわかるのは自由の獲得と同じだと思う」
彼女は幼少のころ大陸で終戦を迎え、困窮ゆえに兄弟を亡くしている。わたしなどには想像のつかないひもじさや苦労を経験してきた人だ。だからこその天衣無縫な「今」なのだ。ちゃらちゃら生きてきた自分が同じようなことのたまうなんておこがましいのだった。
ただしゃべっているような、思うがままに綴ったかのような語り口で、たびたび声をだして笑ってしまうのだが、おなじくらいに切なく哀しく、泣かされる。かみしめるべき名言がそこかしこにある。この先の人生の指南書かもしれない。

レビュー投稿日
2010年7月18日
読了日
2010年7月16日
本棚登録日
2010年7月15日
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『役にたたない日々』のレビューへのコメント

猫丸(nyancomaru)さん (2013年3月21日)

「おばさんになるのはいやだなぁ~」
いつまでも若々しくありたいと思うのは男も女も同じでしょうね。確かにオジサンやオバサンって人間性丸出しの下世話さがあって、何と言うか、、、マイナスイメージがありました。
そんな訳で私は仙人になりたいなぁと、中年熟年を飛び越すコトを願ってました(まぁ、そんなに長生きは出来ないと思いますが)。。。
「この先の人生の指南書かもしれない。」
きっと、生きるコトに貪欲でありながら、自然体の人だったからでしょうね。。。

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