今年の小学校一年生に読んでやりたい絵本50冊
その14
これは以前に紹介しましたが、この50冊にはぜひとも入れたい本なので、再収録です。
書いたのは小学校三年生……。
お母さんが悲しむから私は泣かない、と決めていた、ほとんど病院暮らしの女の子、がはずみで食事盤の裏を見る……そうしたらそこには今までこのベッドを使った子どもたちのメッセージがたくさん残されていたのです。
“あした手術!いやんなっちゃう”
“がんばれ!”
etc
みんな、お互い会ったこともない子どもたちです。
それを見て彼女は初めて泣きます。
自分はひとりじゃなかった。わかってくれる人たちがこんなにいるんだ、と。
二平方メートル、はベッドの周りのサイズです。
そのベッドにすっくと立って飛んでいる表紙、素晴らしくカッコいい!
いまの一年生は彼女に共感し、がんばれ!
と言ってくれると思います。
2022/06/10 更新
※こちらは以前も紹介済みですーーーーーーー
これは、いまは五年生の、病気で何度も入院治療している前田海音(みおん)さんが、小学校三年生のときに書いた作文(ノンフィクション賞をもらいました)を絵本にしたものです。
彼女は賢く、勇敢で、どうにもならないことはどうにもならないということはよくわかっているし、自分よりもっとつらい子どももたくさんいるのだから、自分が弱音を吐くわけにはいかない、とも思っている気丈な人です。
でも、だからといって、いま、つらいことがつらくなくなるわけではないのです。
なかに
“その苦しみに耐えられるから選ばれたんだよ”
といわれた、という文章がありますが、誰が言ったのかわかりませんが、よくもまあ、子どもにそんなことをいえたもんだ、と思います。
そんなのに誰が選ばれたいものか!?
彼女はあるとき、テーブルの裏側に、いままでこのベッドを使った子どもたちのメッセージを見つけます。
“みんな がんばろう”
“ママにめいわくかけちゃってる ごめんね”
“再手術サイテー”
“ファイト!”
そうして病気のことでは泣かない、と決めていた彼女も、初めて泣くのです。
人に寄り添ってもらえたときに、人は力をもらえる……。
そうして彼女は自分も人に力を分けよう、と思うのです。
絵本作家のはたこうしろう氏が、とても感じのいい絵をつけてくれました。
この一冊を、大人もみんな読むべきです。
言うべきときに言わなくてはならない言葉を言えるようになるために、そうして、言ってはならない言葉を言わないでいられるようになるために……。
2021/06/09 更新
- 感想投稿日 : 2021年6月3日
- 本棚登録日 : 2022年6月10日
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