今年の小学校一年生に読んでやりたい絵本50冊 その11
翻訳者、村上春樹、ということは、これは大人の絵本として出された、ということです。
そうして出版された当時はわかる人ならわかる
(^^)
絵本でした。
でもときが過ぎれば世界は変わります。
まあ、まさかこれを一年生に読んでやれる時代が来るとは夢にも思いませんでしたが……。
一人の農場主が、たぶん車にはねられたであろう、道に倒れていた男を拾います。
その男は見たことのない妙な服を着て記憶をなくしていました。
親切な農場主は自分の家に連れていき、介抱し、良くなるとその男は農場で働き始めましたが、ときがたつに連れ落ち着かなくなります。
自分はなにかを忘れている気がしてならない……。
そうして不思議なことに秋が来て、周りの森が真っ赤になってもその農場だけは青々とした緑のまま……。
そうして思い出したその男が姿を消すと、一晩でその農場にも秋が来たのでした。
これはいわゆる深い本の一つです。
本物の豊かな……。
そして今の子どもたちはそれを味わい理解することができるのです。
2022/06/07 更新
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カテゴリ:
【連載】今日の一冊
- 感想投稿日 : 2022年6月4日
- 本棚登録日 : 2022年6月7日
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