歴史を変えた50人の女性アスリートたち

  • 創元社 (2019年4月17日発売)
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今年の小学校一年生に読んでやりたい絵本50冊
その25

これは、見開き一枚で、左にイラスト、右に解説文、という形の50人の女性アスリートたちの伝記です。
一回に一人読むとすると、一人に一枚しかないわけですから、これは声に出して読んでやることのできるレベルの長さになるわけで、
全員読め、というのではなく、世間に合わせていま話題になっているものを選ぶといいでしょう。
たとえばフィギュアスケートの世界大会などが近くなると、テレビやネットはそういう話題が多くなります。
そのときに、1902年に世界で初めて女子で界大会に出場したマッジ・サイアーズの話を読んでやるのです。
この大会までは男子しか選手がいず、女子禁止という項目はなかったので(女性がでてくるとは誰もおもってなかったからね)マッジは知らん顔して出場し、まんまと銀メダルを取ってしまいました。
翌年あわてて女子禁止令が出されたのはちょっと笑えますが、その後、女子の大会は、実現しました。
(ついでに言えば、マッジの夫も素晴らしい人でした。彼は自分も優れたスケーターだったのですが、スケートする彼女を愛し、励まし、振り付けを考え、とあらゆる面で彼女の後押しをしたのですから)
という話を知ってる日本人は、フィギュアのファンにも少ないのではないでしょうか?

いまアメリカは女子と白人以外の人の伝記、を大量に作っています。
あの分量を見るだけでも、2015年以降のアメリカのダイバーシティは本物だ、と感じます。
でも肝心の日本はいま世界に門戸を閉ざしているような気がするのです。
世界で有名な人のことを日本は知らない……。
ノーベル賞を取ってもほとんど解説も報道もなく、そうして一番まずいと思うのは、そういう人たちに対するリスペクトも感じないところです。
日本人じゃない? 
あ、なら関係ないや、で無関心になるような気がする。

でも若い人たちは話せば素直に聞くし、感心するし、覚えるのです(そのついでに、我々若くない者も覚えます)。

確かに知ろうと思えば簡単に今は知識に手が届きます。
マッジ・サイアーズ、とスマホに打てば情報は入ってきます。
でもその名前を知らなかったら、知りたいと思わなければ、いまの日本では情報は入ってこない。
わざとか?
と思うほど、くだらない芸能人のゴシップで蓋をされてるような気がします。

大人にできることは、子どもたちの頭の中にアンテナをたてることだ、と私は思います。
そういう話を聞けば、興味を持って調べる子もいるでしょう。
そうして次にフィギュアスケートを観るときには、単にきれいだな、だけではなく、歴史とたくさんの人々の人生の厚みを持って観るようになると思うのです。

2022/07/04 更新

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 【連載】今日の一冊
感想投稿日 : 2022年7月3日
本棚登録日 : 2022年7月4日

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