ミス・マープルと十三の謎 (創元推理文庫 105-8)

  • 東京創元社 (1960年5月6日発売)
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感想 : 27

◆ お風呂でミステリ ◆ 

・・・ 第四回 「ミス・マープルと13の謎」 ・・・

ポワロとパーカー・パイン氏を出したら、ミス・マープルを出さないわけにはいかないでしょう。
ミス・マープルの短編集「ミス・マープルと13の謎」は、これまた東京創元推理文庫がおすすめです。
翻訳がうまいんだ。
文字の書体デザインとサイズをいい加減変えてくれないかなぁ、とホント、思うよ。ほとんどの読者はもう老眼なんだからさ!

これの半分は“火曜クラブ”といって、みんなで夕御飯を食べたあと、のんびり一人ずつ謎のある話をし、あれこれいいあったあと、ミス・マープルがみごとに真相を言い当てる、という形式になっています。
そのメンバーの一人に警視総監のヘンリー・クリザリング卿がいてミス・マープルにすっかり感心し、あちこちの長編のなかで、現場の警部に、あのかたに話を聞きたまえ、などといってくれて応援してくれるわけですね。
語り口がうまいのですらすら読めるうえに、一つ一つ工夫を凝らしていて、隙のない、できのいい仕上がりの短編集なんです。
クリスティーはトリックの女王、みたいにいわれてるけど、こういうの読むと、とにかく文章がうまい、構成がうまい、という小説の名手だったんだなぁ、というのがわかるね。
読みごたえがあるのに楽に読めますよ。

2017年06月27日

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 【連載】お風呂でミステリ
感想投稿日 : 2017年6月27日
読了日 : -
本棚登録日 : 2017年6月27日

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