ぼくたちは なぜ、学校へ行くのか。: マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える (単行本)

著者 :
  • ポプラ社 (2013年11月26日発売)
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今年の小学校一年生に読んでやりたい絵本50冊 その17

この絵本はドキュメンタリー作家の石井光太氏が作ってくれたもので、前半はマララさんの演説です。
例の
“一人のこども
一人の教師
一冊の本
一本のペン
それさえあれば、わたしたちはことばをつかうことができるようになり、声を上げて、世界をよりよいものにしていくことができるのです”
という有名な演説ですね。
なんのために自分は学校に行くことが必要だと思っているのか、を実に明確に述べています。
そうして後半は石井氏の、自分はなぜ子どもが学校にいくことが必要だと思っているのか……。
それは
“自分の考えを作り上げ、それを人にわかってもらえることばにして伝えなければならない
そのために必要なのが学校なんじゃないだろうか”
ということだということ。

そもそもわたしたちは、子どもに学校に行け、とはいいますが、これまで

なんのために!

は説明してこなかった。
実に日本人らしく、明確に目的や根拠は述べずに結果だけ伝える……。

もしくは

“いい学校に行っていい会社に入れば良い暮らしができ、幸せになれる”

という実に薄っぺらな功利的な説明しかしてこなかった……。

これだと、金持ちになれば幸せになれるのか?
とか、そんなことはしたくない、といわれると返す言葉がありません。
勉強しなくていいよ、になってしまう。
なぜ日本人が勉強する目的は、金儲けと楽な暮らし、になってしまうのか
なぜそこに、勉強するのは楽しいことだから、が来ないのか
優れた人間になるために、
が来ないのか

一生懸命勉強して、他の人より良い成績を取るということは、とりもなおさず、自分だけ幸福になれば良い(うちの子だけ、幸せになればいい)ということです。
なぜそこに
みんなを幸せにするために
が来ないのか

わたしたちは精神的にいまだに貧しい国だと言わざるを得ません。
でも小さい子どもたちは、もうそこから抜け出したように思います。

子どもたちが小学校に入ったときに
なんのために学校へ行くのか
なんのために勉強するのか
を明確に言語化して伝えることは今とても大事なことなんじゃないでしょうか。

一年生には難しいんじゃないの?
ではなく、一年生だからこそ、まっすぐ受け取ってくれ、そうか、そのために勉強するんだ!
という明確な指針が必要だったんだ、と思うのです。

石井さん!
ありがとうございます!

2022/06/16 更新

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 【連載】今日の一冊
感想投稿日 : 2022年6月11日
本棚登録日 : 2022年6月16日

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