ぼくと目の見えない内田さんがであったはなし (LLブックやさしくよめる本)

著者 :
  • 埼玉福祉会 (2021年4月1日発売)
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本棚登録 : 48
感想 : 3

今年の小学校一年生に読んでやりたい絵本50冊
その42

これは、もしあなたが町で、目の見えない人に会ってしまったら?
どうすればいいのか、について書いたものです。
一人の高校生が白杖や目の見えない人について習い、目の見えない人に会ったら親切にしましょう、といわれ、よくわからないけどなんかもやもやする……そのとき、たまたま目の見えない人に会ったので聞いてみた、というストーリーになっています。
内田さんが教えてくれたのは、まず

困っているかどうか見る
困ってなきゃ助ける必要はないでしょ?
困ってそうならどうすればいいか、本人に聞く


というごく当たり前のことだったのですが、この当たり前のことができていない人は大人にも多いのです。

目が見えない人=気の毒な人、可哀そうな人
だから親切にしなくっちゃ!

なんでそんなに上から目線なの?
ですよ。

正直、目の見えない人には、頭のいい人もいれば悪い人もいる、気立てのいい人もいれば悪い人もいます。つまり目の見えない人は、目の見えないだけの、ただの人、なんです。

実際、困ってることもよくあります。
交差点で方向がわからなくなってウロウロしてるとか、来たバスがどこ行きかわからないとか……。
そういうときは確かに教えてもらえると助かります。
でも大抵の場合、あまり困ってないんだよね。
だって、それで毎日生活してるんだもの。

内田さんは実在の人物で、私のかかりつけの鍼灸師です。小さい時からほとんど見えないのでとても耳がよく、彼の目は360度あります。なので前しか見えない私よりよっぽどよく見えてますね。
一緒に歩くと、よく、後ろから自転車2台来るから気をつけて〜、と言われたりします。
目の前の塀が、木なのか板なのかブロックなのか、どのくらい距離があるのかもわかります。音の反射が違うのだそうです。
さっきから迷子になってない?と言われ、なんでわかったの?ときいたら、このマンホールの蓋のうえ、さっきも歩いた、と言われたときは仰天しました。
マンホールの蓋の模様って違うんだってさ。

うっちゃんの針は効きます。天才的に腕がいいです。
でも痛いの。
だからあまりおすすめできません。
でもギックリーとかになって、本当に痛くて困ったら行ってください。たいてい治してくれますから。
十条商店街のど真ん中で、内田治療院、やってます。

絵を描いてくれたのは、ディスレクシアの濱口瑛士君。描いてもらうために内田さんとご飯を食べたのですが、正直、想像していた盲人と180度違ったそうです。
(^∀^)

実際に目の見えない人と会ったことのある子どもは少ないでしょう。そうして今の一年生は、人を助けたい、と思っている人たちです。
なのでこの本を真剣に聞くでしょう。
そうして、助けがいる人を助けるやりかたを知ってもらえたらいいなぁ、と思うのです。

2022/09/13 更新


※こちらは以前も紹介済みですーーーーーーー

新刊、出ました〜。
「僕が目の見えない内田さんとであったはなし」

これは街の中で目の見えない人と会ったらなんて声をかけたらいいのだろう、がテーマです。
いまの小学生は、人を助けたい!
と思っている人がとても多いし、ちゃんとできる力もあります。
一度は読んでやってください。

2021/05/28 更新

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 【連載】今日の一冊
感想投稿日 : 2021年5月28日
本棚登録日 : 2022年9月13日

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