続けてディヴァイン。解説にもありましたがこの作家、相性が合う人なら外れなく面白いけれど、割と設定などのバリエーションが狭く、似たようなというか得意のパターンがあるので、訳出するにあたっては読者が飽きないよう、順番などを工夫したそうです。確かに少ない登場人物で確執のある親子関係に意外な犯人と、概略だけにしてしまうとまたこれか、という話ながら、人物の書き分け描写が丁寧で謎解きが無くても楽しめるほど。犯人は意外な人物なので、読みながら「この人だったら残念、でもまさかね」という人が犯人だったりするので、推理ではなくて心情的に予想がついてしまうという難点はあれど、それでも十分面白いです。今回は親子間、夫婦間、兄弟間の確執が入り乱れるなか、探偵役の大学教授が一人称で起こったことを回想するという書き方なのでサスペンスの雰囲気を漂わせつつお話が展開して読みやすかったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ/本格
- 感想投稿日 : 2012年3月19日
- 読了日 : 2012年3月16日
- 本棚登録日 : 2012年3月19日
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