自分のアタマで考えよう

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2011年10月28日発売)
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社会派ブロガーちきりんの第2弾の著作だ。思考の方法論を述べている。本を書くに至ったきっかけは、社会人になりたてのころ上司から、「考えが浅い」「もっと考えろ」と言われたものの、「これ以上どう考えたらいいの?!」という状況で、この本だけ読んでいれば最低限は考えたといえるというものが当時あればどれだけ楽だったか、と思ったことらしい。ブロガーとして、考えること書くことを生業とし名を馳せているちきりんの、思考の秘訣が知れるとあれば、読まない手はない。

冒頭から、知っていると考えるは別物、と看破する。一見もっともそうなデータを見た時に一般的に出そうな結論を上げ、それはもともと知っていた知識ではないかと問いかける。常にゼロから考え、いい面悪い面両方を比較し最良と思われる結論を出すのが思考をするということという。次に、最初に考えるべきは決めるプロセス、だと述べる。レシピを決めてからスーパーに行くのとそうでない場合では、買うものが違ってくるという身近な例を上げつつ、考えるとはインプットをアウトプットに変換することであるという。エクセルに向かっている時間を考えていると思うという、作業を考えることと思い込むワナは、多くの人に思い当たるふしがあるのではないか?

さらに、情報を得た時に、なぜ?だからなんなの?との2つをまず考えるべきという。なぜ、は背景を問う。だからなんなの、は次に何が起こるのか。それに対して自分はどうするのかを問いかける。その際、留意点としてデータを調べた時間と同じくらいはそれに向き合い考える時間が必要だという。

そして、「そういう可能性もあったよね。なんで思いつかなかったかな?」という抜け漏れを防ぐため、あらゆる可能性を考える方法論を説く。分解図を使う、構成要素を組み合わせるということが大事だそうだ。考えるための方法論でもっとも役立つ分析方法として、比較をあげる。まず、比較の対象と比較の項目を決める。その際、縦と横で比較する。

思考の秘訣はまだまだある。判断基準を絞る、レベルを揃えて考えよう、情報ではなくフィルターが大事、データをとことん追い詰めよう、グラフの使い方が思考の生産性を左右する、知識は思考の棚に整理しよう。どの方法論も有益だ。

学んだことを知識にせず、まずは思考の棚に整理して、実際に使えるようにしたい。そして、常に実践していくことが習得するためには必要だ。考えるということができていない。得た知識をさも自分が考えたかのようにいう。そんな思考の習性を直すには、日々の習慣を変えないといけない。情報に触れるたびに、この10の方法を使い、自分のアタマで考えれるようになりたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年2月15日
読了日 : 2018年2月15日
本棚登録日 : 2018年2月15日

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