南方熊楠
博物学者、生物学者、民俗学者
昭和天皇への進講を行った人物
他言語を操り、数々の論文を学術誌に発表
何やらものすごい人だ
恥ずかしながら、今まで知らなかった…(・・;)
そんな熊楠さんの、15歳から74歳で亡くなるまでの人生を描いた壮大な物語
「我は我のことが知りたいのや」
「我は、この世のすべてを知り尽くしたい」
そんな熱い想いから、日々研究に没頭する熊楠。
商家に生まれながら学問をやらせてもらい、アメリカ留学にも行かせてもらう。
熊楠がずば抜けた能力を持っている事も確かだが、やはり金銭面でも恵まれた環境だったのかなと思う。
父が亡くなってから、金銭面は弟に頼る。
研究者というのは稼げないくせにお金はかかるようだ。
当たり前のように生活費の面倒を弟に頼る熊楠に、なんだか腹が立つ。
研究所設立のための出資を巡って弟と諍いになり、もうこれ以上は出せないと言われる。
これまで何十年も金を工面してもらいながら、寄付金を約束通り出せ、月々の金はどうしたとか、偉そうに請求している熊楠が腹立たしい。
弟に出してもらった生活費で酒を飲み、酔っ払って暴れるとか、本当に嫌だ。
主人公の熊楠には全く寄り添えないと思っていたけど、ここから晩年の人生には胸がいっぱいになり、夢中で読み進めることになった。
南方熊楠という人物はあまりにも大きすぎて、理解しきれない部分があった。
しかし岩井さんの文章には、ものすごい力があって圧倒されるばかり。
読み終えてもなお、この世界から抜け出せない。
──いずれ必ず訪れたい場所──
熊楠が1903年から約一年半、隠花植物を採集する為に滞在した那智・熊野古道(世界遺産)
※追記
上記はあくまでも私アオイの感想です。
この本の中で熊楠さんは、自分の行動や発言について常に自問自答しています。
家族のことも愛しています。
実際に妻と娘は最後まで研究を手伝っているし、熊楠を支援している仲間もいます。
皆さん、熊楠さんを嫌いにならないでね( ◜‿◝ )
- 感想投稿日 : 2024年8月31日
- 読了日 : 2024年8月31日
- 本棚登録日 : 2024年8月31日
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