アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

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本棚登録 : 8991
レビュー : 1027
制作 : Daniel Keyes  小尾 芙佐 
akinyahoさん 学び系   読み終わった 

今から50年も昔に書かれたものとは思えない。
著者の先見性には驚きを隠せません。
著者自身「どうして書けたかわからない」とおっしゃっていたようですが。この作品の意義は、はかり知れないと思う。

内容の詳細はあえて書きませんが。
精神遅滞の少年が手術によって知能を高くしてもらい、天才に変貌する。しかし超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、喜びと孤独が、人間の心の真実を描き出しています。

私は特別な号泣はしなかった。ただ、混乱して複雑な気持ちになった。これは読んだ人にしか味わえない心の震えだと感じた。
最初は読み難いが、辛抱強く最後まで読んで欲しい。

私的な学びとして、「知能」という数値で見えるものの扱いには十分に気をつけないといけないと改めて思った。

幼少期の体験、本作品では特に母親との関係の根深さについて、印象深い。…私は考えてしまった。作品内容とは全く関係ないのだけれど。
この本を読んで、脳裏をよぎったことは、

”被虐待児”の深刻さ。

チャーリー' ゴードンと窓から見ているチャーリー。
解離している1人の人間、チャーリー。

きっと、被虐待児に解離性障害や境界性パーソナリティ障害が多くなってしまうのは、そういうことかも。
精神遅滞でなくても、知能を高くする手術を受けなくても、SF小説の中でなくとも、”現実”に生じているということ。

だからそのような意味でも著者の先見性に敬意と尊敬を払わずにはいられない。

人間の実存、しあわせとは何か。
研究とはなにか。
本当に多くの課題が詰まった1冊。
大切な人に捧げたい1冊。

レビュー投稿日
2011年11月19日
読了日
2011年9月2日
本棚登録日
2011年11月18日
4
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