読みながら、何回嗚咽を漏らしただろう。
誰かが死に連れ去られるたびに、ここまでの道のりがこんなにも困難だったのに、死に様までがこんなに悲しいものなのかと。それぞれの人物が背負った日々が絶望のなかに吸い込まれていく。
泰麒のそばに築かれていた人の集まりも、阿選の手によって瓦解させられていく。
驍宗が李斎たちと出会った冒頭こそ希望が見えるところに降りてきたと思ったけれど、この四巻でこの決着がつくのに、読み進めるほど絶望が押し寄せる。
目を逸らしたくなるような場面が続く。
本当にこれ終わるの?と思っていると、やっと、その時がやってくる。もう本当に李斎たちと長い旅を経たような気持ちだった。そして二人が出会った瞬間、押し寄せた気持ちが圧倒的だった。
阿選の言い分やろう燦の本心、泰麒のシレイがどうなったのか、気になることがまだたくさんあるのだけれど、とりあえず、小野先生にはお疲れ様でしたと、ありがうございます、を。ちょっと戴の物語を読むのを諦めていました。本当に、また李斎や泰麒に出会えてうれしかったです。そして驍宗と泰麒の物語が続いていくことも。
過去の総てが、今に、今のなにもかもが未来へ確かに続いている。希望をつなぐことの途方もなさと、その一つの結実が描き出された物語でした。
誰かと語り合いたい!!!!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
十二国記シリーズ
- 感想投稿日 : 2019年11月10日
- 読了日 : 2019年11月9日
- 本棚登録日 : 2019年11月9日
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