絶望の書・ですペら (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (1999年8月10日発売)
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本棚登録 : 104
感想 : 14
5

ダダイストである辻 潤は、ですぺらというエッセイでこんなことをいっています。

>  みんな自分のかけている眼鏡が最上で正しいと考えているらしい。
> しかし、中には自分の眼鏡を信用せず、他人の眼鏡をも信用しない
> 人間もいる。
> その信用しないというのも彼の持つ一ツの人生観なのである。


そうか、そういうのをダダイズムというのかと腑に落ちました。
私が敬愛するあの方、この方、みな既成価値から自由で、だから、私は彼ら・彼女らが好きなんだとこの本(随筆)を読んで分かりました。

本書には、若い時から晩年までのエッセイが収められています。若い時の辻潤は「各人はただ各人の持てる才能を自由に発揮さえすることが出来ればそれでいいのだ」と言います。明治16年生まれの人として進んだ考え方だと思いました。

また、中年になって、恐らくその頃は洋行すると渡航記を書き発表するのがふつうなのでしょうが、それをするのが恥ずかしいと書きません。その羞恥心を私はとても愛おしく感じます。

また、辻潤は、翻訳家でもあります。
これをみると、素晴らしい翻訳をされていたのだといことがわかりますね。

http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/2243/TJ_Hibiki/Texts/Yakushi.html

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文
感想投稿日 : 2012年7月18日
読了日 : 2012年7月18日
本棚登録日 : 2012年7月18日

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