富田氏の訃報を耳にして、時を同じくして青空文庫で公開されたこのタイトルを一日で読み通した。
自分の中の電子書籍ブームが始まって何年かが経ち、本格的に電子書籍が商業ベースで軌道に乗り始めている現在となっては、すでに耳にたこができるほど聞かされている内容。技術的な詰めの甘さも見られるこのタイトルを、今さら新しい驚きを持って読むのは正直難しい。
しかし、15年前に出版されたこの本の内容が、あまりにも現在の「当たり前」と一致していることに、富田氏の慧眼を感じる。本タイトルの執筆後、富田氏の立ち上げた「青空文庫」プロジェクトも含め、日本の電子書籍業界に与えた影響は大きいと感じるだけに、TPPによる著作権論議の盛んなこの時期に、富田氏が亡くなってしまったのは本当に残念としか言いようがない。ご冥福をお祈りします。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
青空文庫
- 感想投稿日 : 2013年8月18日
- 読了日 : 2013年8月17日
- 本棚登録日 : 2013年8月17日
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