マーケットの魔術師【株式編】《増補版》米トップ株式トレーダーが語る儲ける秘訣 (ウィザードブック)

  • パンローリング (2003年8月30日発売)
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【みきまるさん株式投資本オールタイムベスト2017年版第3位】

マーク・ミネルヴィニ
…肺炎になってもトレードに明け暮れ、年複利平均220%をたたき出す
中学中退の元ミュージシャン

「株を買う動機はいつも同じです。かなり長く持つこともありますが、
数時間、長くても数日で価格が上がると思う株を選んで買っています」

「僕の基本は、市場で買える最良の株でポートフォリを組み、
判断を誤ったら素早く損切りすること。これこそが僕の投資戦略の真髄だね」

(大きく値が上がる株の特徴として、そのほかにはどんなものがありますか?)
「ほとんどの人が驚くでしょうが、そういう株は大化けする前でさえ平均よりも
PERが高い場合が多いですね。多くの投資家はPERが低い株に投資対象を
限定している。でも不幸にして、PERが「高すぎる」ように見えるというだけの
理由でその株を避けるということは、最高のチャンスを撮り損ねているよ」

「どんな戦略を使おうが、株式投資で勝つために必要なのことの90%は損失を
抑えることです。さらに、上がる可能性のある株を買えるようになれば、勝算はさらに増します」

「僕の過ちは、意思決定の責任を他人の手に委ねていたことだ」
(初期の大きな損失を振り返って)

「僕の運用成績が一変したのは、正しい判断をどれだけ数多く下せるか
ということではなく、勝てるトレードで得る利益をどれだけ膨らませ、
負けるときにどれだけ損を抑えられるかということの方が重要だということを
理解したときからです」

(あなたの人生を変えたセンテンスを教えてください)
「『成功の果実をどれだけ手にできるかは、自身の売買記録をとる、自分で考える、自分で決断するといった、あなた自身の努力がもたらす正直さや誠実さに比例する』つまり、自分の結果は100%自分で責任を取れということだね」

(リバモアの「How to Trade in Stock 」からは他にどんなことを学びましたか)
「非常に多くの教訓を得ました。基本的な教訓でいえば、マーケットは決して間違えないのだから、かたくなな考えを持つなということ。また、仕掛けるための最良のタ
イミングを待つ場合だけでなく、すでに買い持ちしているポジションを利食うタイミングを待つ場合も、トレードにおいて忍耐が必要であるということを言っている。僕が最も衝撃を受けたのは、彼の言う、元本だけでなく利益を守ることの重要性です」

「間違いは許されるが、間違ったままでいることほど許されないことはない」

「どんなゲームであれ、うまくやるためには何らかの技術と強みを持つ必要があるけど、さらに重要なのがマネー・マネジメントです。投資であろうがポーカーであろうが、それは同じこと。どちらの場合も、重要なのは損失管理なんです。優秀なトレーダー達は損失管理をやっている。利益のことは心配していませんよ。守りが固ければ負けることはない」

「10%の損切りルールによってその後の回復を撮り損ねた銘柄は、ほんの数銘柄しかなかった。勝つトレードは、最初から上がるものなんだ。大きな含み損を抱えたポジションにしがみついて、つらい思いをする必要など全くなくて、そんなことをすればむしろ被害を大きくさせることに気がついたのです」

「株価が強く、ファンダメンタルズが弱いという組み合わせは、今後業績が好転する企業や、開発した新しい技術の可能性がまだ世間に認識されていない企業によく現れる」

(以下、シュワッガーのまとめ)
ミネルヴィニが信条としている主なものは、次のようなことだ。
●厳しく損失管理する。
●自分の性格に合った方法を開発し、その一つのスタイルを自分のものにする。
●自ら調査して、自分自身の考えに従って行動し、他人の意見を気にしない。
●考えうるあらゆる事柄への対処法を用意しておく。これには一度切ったポジションをどうやって買い直すのか、またトレードが思った方向に進んでいる状況下でいつ利益を確定するのかなどといったことも含まれる。
●自分の決めた規律を厳格に守ること。例外はない!

成功するためには、最初に決めたアプローチを修正していく適応力だけでなく、最初の考えが完全に間違っていたことを受け入れられる柔軟性が必要だ。要するに、変化を受け入れることさえできれば、初期の失敗は成功を収めるための障害にはならない、ということである。

スティーブ・コーエン
…「直感」で仕掛けて、反射的に損切りして、年平均90%を達成する
伝説的な感覚派トレーダー

(あなたはなぜ今任天堂を空売りしたのですか?)
「(ポケモンは)一時的な熱狂に過ぎないと思うからね。ウリが一つしかない企業なんだ」
→1999年〜2000年くらいの話だからしゃーないか

「株の値動きを形成するのは、40%がマーケット、30%が業種、そしてたった30%が株式そのものだということ。これは真実であると、今も思っているよ」

「最高のトレーダーでさえ、利益を上げるトレードは63%にすぎない。ほとんどのトレーダーの勝ちトレード比率は、50〜55%。つまり間違いを犯す確率は非常に高いんだ。そうだとすれば、損失はできる限り小さく、利益を上げられるときはより確実にそれを大きなものにしなければならない」

「僕はいつもトレーダーたちに、『自分が間違ったと思ったり、理由がわからなくても相場が思惑と逆行している場合は、ポジションを半分に切れ。いつでも積み増せるのだから』と言っている。…重要なのは行動を起こすこと。手をこまねいて悲惨な目にあうトレーダーがあまりに多すぎるよ」

「トレーダーは、自分がどういう種類のトレーダーなのかをしっかりと認識し、やるべきこと以外には手を出すべきではないね」

「マーケットの動きはコントロールできないが、マーケットに対して自分がどう反応するかは自分でコントロールできる。僕は常に、自分自身の行為をチェックしているし、それこそがトレーダーにとってすべてなんだ」

「僕の基本概念とは、自分の理論に従ってトレードしたら、自分が正しいかどうかは相場に聞くというやり方なんだ」

(シュワッガーのまとめ)

トレーダーはだれしも間違いを犯すが、偉大なトレーダーはそれによる損失を小さく抑えることができる。

「安すぎる」という理由で株を買ったり、「高すぎる」という理由で株を売るというのではダメなのだ。

アリ・キエフ博士
…自らを信じ、達成不可能な目標を設定し、
それを公言することによってトレードで勝つ心構えができる

「自殺の恐れがある患者やうつ病患者への療法には、
患者自身の自立心と積極性を高めさせる手助けをするということが含まれます。
これは運動選手だけでなくトレーダーにも適用できる方法です」

「種目を問わず、金メダルはそれを自分が取るのだと心に固く決めない限り、
取ることは非常に困難です」

「自分は目標を設定して、それを実現するために努力するのだということを
他人に言うことで、実際にそれを成し遂げる可能性が高まります。
これは運動選手もトレーダーも、それ以外でも同じことです」

スティーブ・コーエンは今年、とてつもない目標を設定しました。
彼はその目標に沿った戦略を練らなければなりませんでした。
「こんなことはしたくないんだ」とコーエンは言っています。
「でもこのレベルと落とさないためにはやらなければいけない。
毎朝オフィスに七時半に行きたくなんかない。
毎晩たくさんのチャートに目を落とすのも嫌だ。
でも自分が誓った約束を破らないためにはやるしかないんだ」と。

「実現できると信じることが、その達成につながります」

「負けない事ばかり考えてしまうことが、勝つための妨げになるということです。
損を出さないことを第一に考えるのでは、良いトレーディング戦略とは言えません。
利益を出すためにトレーディングする必要があるのです」

ートレーダーの可能性が最大限に発揮されるための妨げとなる、
個人的欠陥の例は他にありますか?

「多額のファンドを運用するあるトレーダーは、株を買うときに決して成り行きで注文しようとせず、指値を入れて少しでも安くお会おうとします。結果、多くのトレード機会を逃してしまいます」

ーどうしてこの欠陥が明るみに出たのですか?

「あるとき私が彼に「今日はどうだった?」と聴いたら、彼はこう言いました。
「いまいちだった。XYZ株の大きなトレードを仕掛けそびれた。買おうとしたんだけど、
株価が高過ぎて、ポジションを取り損ねたしまったんだ。指値を入れたときには
株価はすでに1ドル上がっていて、その値では買いたくなかった」
私は今、彼の精神的な視点を変えさせようとしています。彼は過去何年も成功してきましたし、彼は仕掛けるトレードの大部分で儲けています。なぜ彼はそんなせこいことをするのでしょう?

ーなぜだと思いますか?

「彼の性格がそうさせるのだと思います。育ちの問題です。彼は何事につけ小銭を惜しむのです。」

ーあなたはトレーディングの心理学に関する本を書かれています。トレーディングで勝つためのアドバイスを、ごく簡潔に教えていただきたいのですが。

「目標を明確にし、それを達成するための一貫した戦略、守るべき規律、リスクマネジメントの指針をしっかりと定めること。そしてトレードをし、自分のトレードを振り返り、パフォーマンスを評価することです」

●信じることが、実現を可能にする。
●目標を達成するには、それが可能だと信じるだけでなく、目標を他人に公言すること。
●他人に目標達成を誓うことは、自分の中だけで目標を設定するよりも効果的である。
●オリンピックの金メダリストやスーパートレーダーのような超人的な人たちは、達成不可能と思えるようなものへと絶えず目標を再設定する。人並み外れたパフォーマンスを維持するには、居心地の良い状況から脱却しなければならない。
●目標を定めたトレーダーやアスリートは、目標に向けて首尾一貫した戦略を練る必要がある。
●トレーダーやアスリートだけでなく目標を設定してそれを目指す人は、自分のパフォーマンスを検証して目標に向かって進んでいるかを確認し、もし誤った方向に進んでいるならば何が原因かを究明する必要がある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: みきまるさん株式投資本オールタイムベスト
感想投稿日 : 2018年1月28日
読了日 : 2017年12月7日
本棚登録日 : 2017年11月15日

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