おやじの値段 ベスト・エッセイ集 (’87年版)

  • 文藝春秋 (1987年8月1日発売)
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感想 : 1
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表題の「おやじの値段」は出久根達郎のもの。これが一番面白かった。作者ならではの古書ものであるが、最後にほろっとさせるところなど、さすがの味である。
「マイドー、倫敦」(山田章則)は、ロンドンの地下鉄の車掌の言葉の面白さ。「マイドー」が「Mind the door」(ドアに気を付けてください)、「ホータイ」が「Hold tight」(しっかりつかまってください)、「マイギャ」が「Mind the door」(電車とホームの隙間に気をつけてください)などは一種の薀蓄であるが笑わせる。「岡田嘉子の秘密の置土産」(柏木慶子)は、「来日」した彼女の傍若無人ぶりを描くが、事実関係に疑問があった。これはエッセイとも随筆ともいえないきわもので後味が悪かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・随筆
感想投稿日 : 2015年12月5日
読了日 : 2015年12月5日
本棚登録日 : 2015年12月5日

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