ユニコーン企業のひみつ ―Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方

  • オライリージャパン (2021年4月26日発売)
3.93
  • (34)
  • (56)
  • (28)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 512
感想 : 56
3

夫に勧められ読んでみた。
オライリー本、しかも表紙の見た目が固いので敬遠してたけど、予想と違ってかなりカルい読み物的な一冊だった。
ユニコーン企業と呼ばれる企業での開発手法・チーム運営・文化づくりについての解説本なんだけど、Spotifyでのアジャイルコーチの経験をもとに書かれているので具体例がありとても分かりやすい。
しかもユーモアに富んだ脱力系の表現で、激しく共感したり、笑ったりしながら楽しく読み進められる。
ところどころ入っている挿絵もかなりユルい。
日本語訳を意図的に直訳ぽくしていることで外人ぽさ、外人ノリを演出できてるのかなという気がする。
とにかくカルく、ユルい本書だけど、書いてることはいたって真面目で理にSotifyかなっておりとても勉強になった。
Sotifyがスウェーデンの企業ということもあり、スウェーデン文化が企業文化にも反映されているみたいでそこも読んでいて新鮮だった。
余計なお世話だけど、表紙をもっとキャッチーなものにするだけで手に取ってくれる層も増え、売り上げも上がると思うのにな。

共感ポイント:
「考えちゃだめだ、ひたすら刻めばいい・・・」
まさに今の自分・・・
「壁の向こうに放り投げる」
まさにうちの会社のやり方・・・

読書メモ:
・権限を与え、信頼することで仕事をやり遂げる(自律、権限、信頼)
・ミッション=チームに与えられる、抽象度が高めの目標(仕事の方向づけ、目的の提供、長期的な視野、どうやって果たすかはチームが決める)
・スクワッドは自分たちで優先順位をつける
・スクワッドは計画よりもインパクトを重視する
・自立せよ。だが局所最適に陥るな
・カンパニーベット:会社が取り組みたい重要事項を終わらせたい順に並べたリスト
メリット→重要なことから終わらせていく、社内メンバーの流動性を高める、フォーカスを強制する、全社横断の連携を可能にする
・プロダクティビティスクワッド:プロダクトのリリースや開発を担当するメンバーの日々の仕事を楽にすることだけを目的としたチーム
・期待が高いからこそ、質の高い仕事ができる(予算や期日といった「言い訳」を取り除く)
・フィーチャーフラグ:ソフトウェアの特定機能を本番環境上でオンにしたりオフにしたりできるソフトウェアで実装されたスイッチ
・リリーストレイン:完成した機能のまとまり(バッチ)を、あらかじめ決められた間隔で定期的にリリースするプラクティス
・思考は戦略的に、行動は局所的に
・プロジェクトではなくチームに投資する
・ハックウィーク:エンジニアが通常業務を脇に置いて、自分の好きなことをなんでもやれるイベント(20%ルール)
・すべての情報は基本的にオープン
・分離されたアーキテクチャ
・データサイエンティストの存在が重要

Spotiryのチームについての信念:
・何者であるかよりも、何者になれるかだ
・最も速く学んだ者が勝つ
・これはマラソンだ。短距離走じゃない
・強いチームは個人を凌駕する
・異なる観点の衝突が大きな躍進を起こす

Appleの初出勤を歓迎する手紙:
単なる仕事と人生の一部になる仕事があります。あちこちにあなたの指紋が残るような仕事。絶対に妥協したくないような仕事。週末を犠牲にするのに見合うような仕事。Appleではそんな仕事ができます。ここに浅瀬で安全に遊びたい人たちは来ません。深みへと飛び込むためにここに来ているのです。
みんな仕事で何かを成し遂げたいのです。
何か大きなことを。ほかのどこでも起こらない何かを。
Appleへようこそ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年5月26日
読了日 : 2021年5月13日
本棚登録日 : 2021年5月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする