「はやぶさ」は成功したから注目を集めたが、宇宙研の真骨頂は「失敗してもめげずにしぶとい」点にありそうだ。宇宙研が世界に誇るべきなのは、はやぶさの成功そのものより、少ない人数と最小限の予算で試行錯誤を繰り返し、天才に頼ることなく泥臭い汗と工夫を積み重ね、何より失敗を糧として少しずつでも前進してきた歴史なんじゃないだろうか。世界を驚かせた頃の日本は全体がそうだったんじゃないかという気がする。失敗を責め立て、恐れ、汗をかくのをいやがる組織や国は没落する。
本としては話があっちこっちに飛んだり、妙に前のめりで大仰な書き口のわりには人の姿が(糸川英夫以外)は見えてこなかったりしていまいち。むしろ淡々と読みたかった話。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自然・科学
- 感想投稿日 : 2010年12月13日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2010年12月8日
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