むちゃくちゃ面白かった。帰宅中の電車の中で読み始めて乗り過ごし、戻る電車をまた乗り過ごして、もう一度出社してしまうところだった。文章は上手いとはいえないが、当事者が書いているから迫力は満点だ。
人口2000人、2人に1人は65歳以上の高齢者という、四国は徳島の小さい町、上勝町。この町に、平均年齢70歳で、年収1000万プレーヤーが何人も出るような事業が存在する。しかも売っているのは「葉っぱ」・・・というところが面白いのではない。いやそれももちろん面白いんだけど、何より面白いのは無茶な若者がたった一人で2000人の町と、そこで暮らす人々を変えたこと。そして年寄りたちが喜々として働き、暮らし、若者も戻り始めた町になっていったことだ。
これ映画にしたら面白いんじゃないか、と思ったらもう映画になってた。観よう。
ビジネスの参考書として読むこともできるのだろうとは思う。だが本書に魔法の使いかたは書いてない。現場を重視すること、働く人に寄り添うこと、売れるシーンを想定すること・・・基本中の基本とも言えることだ。しかも著者は働き始めて17年、給料を自腹で勉強と取材をするために使ってしまって、家には一銭も入れていないそうだ。奥さんと子供3人は著者の親がかりだったそうだ。それがビジネス成功の秘訣だ! と言われても読者は困るだろう。
ビジネス本として読むのはもったいないと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史・ドキュメンタリー
- 感想投稿日 : 2016年9月11日
- 読了日 : 2016年9月8日
- 本棚登録日 : 2016年9月8日
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