北海道の川で釣りをする身としては、クマ問題は他人事ではない。ぼく自身は遭遇したことはないけれど、遭遇した人に遭遇したことは1度や2度じゃないし、「熊出没中」の看板はしょっちゅう見る。クマ鈴必須、熊スプレーも身につけているけれど、それで100%安全なわけではない。万一クマに会っちゃったらどうすればいいのだろう。かなり本を読んだけれど、今ひとつわからなかった。そういう意味では参考になった一冊。教科書的な作りの雑さは気になったけれど。
「クマが出没している地域には近寄らない」そりゃそうなんだけど。ぼくが釣りに行く川の「クマ出没中」看板は何年も出たままで(冬は片付けているのかもしれないが)、教科書通りに行動すると釣りを諦めるしかない。もちろんクマと戦ってでも釣りたい、と思っているわけではないけれど、それって「交通事故の危険があるので、車が通る道を歩いてはいけません」みたいなものだよね。だいたいそこに住んでいる人がいるのに。
でも「クマに背中を向けて逃げてはいけない」は覚えておきたい。万一クマにあったら、目を離さずに静かにゆっくりあとずさりをして離脱するのがよいらしい。また「クマに取られた荷物を取り返そうとしてはいけない」「くまスプレーは効果あり」も。「ナタなどの武器は左右に装備すべし。クマと格闘になったら、鼻と口の間が急所」はどうしよう。
萱野茂はアイヌ民族にしてアイヌ文化の研究者。本人が書いているわけではないと思うけれど、本書のクマノウハウの背景にアイヌの知恵があると思うと重みが違う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
自然・科学
- 感想投稿日 : 2017年5月3日
- 読了日 : 2017年4月21日
- 本棚登録日 : 2017年4月21日
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