風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

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本棚登録 : 3505
レビュー : 300
著者 :
制作 : 山田 章博 
紅惟さん ファンタジー(国内)   読み終わった 

 可愛い子供を只管愛でるお話。
 ではないのだけど、そういう印象(笑)。
 本当にもう泰麒が健気でいじらしくて。そして汕子も。
 女怪のような、何者かを慈しみ護る為だけに生まれた存在というのは理解の範疇外なのだけど、それでも自分にも大切な人や物がないわけではないので、卵果が蝕にのまれた時の汕子の嘆きには胸が苦しくなる。

 とても晴れやかで幸せなラストなのに、このすぐ後にはまた大変な事になるのを知っているから、この本自体はハッピーエンドなのに、読後感がとても哀しい。
 この本と『魔性の子』の間に、一体何が起きてしまったんだろう。
 そして『魔性の子』の後は、どんな展開が待っているんだろう。

 ところで、私の周囲の『十二国記』ファンの間では驍宗が一番人気なのだけど、私は彼が苦手……。とてつもなく格好良いし、凄い人物だと思うし、こういう人物を「王の器」と呼ぶのだろうなとは思うのだけど、どうしても怖くて。とても怖い。
 自分に自信がないから、驍宗のような、非の打ちどころのない(ように見える)、自信に満ち溢れた人物に気後れするのか。
 勿論そんな事は全くないのだろうし、私の被害妄想なのだけど、彼のような人物は、愚かな人間を赦してくれない気がする。
 李斎が、尊敬も出来るし、親しみも持てるし、好きなキャラクターなのだけど、彼女くらいのスケールまでが、私の許容出来る大きさなのかも知れない。
 スケールの大きさで言えば、勿論尚隆もそうなのだけど、彼は「駄目な(駄目に見える)部分」を前面に押し出してくれているので、そこが取っ付きやすい(それも、凡人の勘違いという気もするけれど)。
 驍宗は完璧で、素晴らし過ぎて、得体が知れない。
 それともこういう気持ちを、泰麒が感じたような「畏怖」と呼ぶんだろうか。

レビュー投稿日
2013年7月5日
読了日
2013年7月5日
本棚登録日
2013年7月3日
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