泣かない女はいない (河出文庫)

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本棚登録 : 729
レビュー : 95
著者 :
alfandbrianさん  未設定  読み終わった 

そんなに可愛いとか思ったこともない女性に、いきなり告白めいた事を言われて、急にゾワッとしたって感じ。
泣かない、淡々とした女が見せた最後。
本当に淡々としていて、田舎の町にあまり考えもなく来てとりあえず仕事して…
一緒に住んでいる人はいるものの、特筆するほど出てこない登場人物の一人で。
そんな生活にもちゃんとドラマがある。大手の下請け工場でも、静かにも激しい感情の揺さぶりは起こる。それはとても当たり前の事なんだけど、作者の切り口がほんの少しのほころび程度の感情の描き方なので、最後の鮮明な描写にハッとさせられ、呼吸を乱される。
元社長の入院の後、奥さん綺麗でしたねの一言で和む場面。ちゃんと君はムードを作れているじゃないか。
自分がへこたれている時、愛すべき人がなんの悲しみもなく過ごしているというのは、すごく安心することなんだ。
の一言に、この主人公の人の良さを感じる。そして思いを伝えてもいない人の事を、同棲相手に話しちゃうとことか。
結局伝えられない、シーンで野球のボールを大事に持ってるとか、少女漫画みたいなんだけど、美しくも気だるい切なさが伝わってくる。


評判が良くて読んだ、初めて読んだ作家だが、とても文体が心地よかった。どんどん読んでみよう。

エレカシの生活が聴きたくなった。
あとね、彼女は買い物の帰り道

レビュー投稿日
2014年9月9日
読了日
2014年9月9日
本棚登録日
2014年9月9日
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