神も仏もありませぬ

著者 :
  • 筑摩書房 (2003年11月1日発売)
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本棚登録 : 191
感想 : 35
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絵本の『100万回生きたねこ』の作者のエッセイ。
どんな人があの『ねこ』を書いたのかしらと、
興味がわいて読んでみました。

あのねこは・・・作者そのもの?
男性でも女性でも
ここまでスッパリと物事を言いきれる作家に初めて会いました。

この著書は、山村で暮らす自分の生活をもとに、
幼いころの思い出や家族のことなど、
日常の中での小さな出来事までも、鮮明に書かれたエッセイでした。
最初に驚いたのは、物事に対する考え方が実にストレートなこと。
過激すぎるほどストレートです。

婉曲やはぐらかすような表現はいっさいせず、
「○」か「×」か。「好き」か「嫌い」か。どちらかの表現のみなのです。
自己中心的な発想の仕方といえば、それで終わりなのですが、表立って自分の意見をはっきりと主張できる人が少ない現代、このような大胆すぎるほどの発言で意表を突いた文章を読むと、本当にすっきりします。

自分の人生観、世相感もなんだか少し見つめ直したくなりました。
いい子ぶらずに本当の自分をさらけ出すことが
気持ちのいい正直な生き方なのだなと思いましたので。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年1月21日
読了日 : 2012年1月21日
本棚登録日 : 2012年1月21日

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