智恵子 その愛と美

4.40
  • (7)
  • (0)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 18
レビュー : 5
制作 : 北川 太一 
alohakohさん オススメしたいもの   読み終わった 

世間一般の認識は,智恵子は高村光太郎の妻ということになるだろう.
智恵子が芸術家だということを知っている人は少なくないだろうけれども,やっぱり高村光太郎の方が大きいという認識だろう.
これはやっぱり違う.智恵子も同じだけの才能を持っている.
こんなにも智恵子は芸術家であった.

ただ一つ内なるこえ、
たましいに聞くことをお忘れにならないよう。
この一事さえ確かなら
あらゆることにあなたを大胆にお放ちなさい。
それは最も旧く最も新しい、成長への
唯一の人間の道と信じます故。
              --智恵子

他方,高村光太郎.

高村光太郎のような気持ちで高村光太郎のような詩が書けるのであれば,30年寿命が縮んでもいいな.

30年っていう数字の低俗さに自分の才能がないことを知る.

デカダンと人は言って興がるが、
こんな痛い良心の眼ざめを曾て知らない。
遅まきの青春がやつてきて
私はますます深みに落ちる。
意識しながらずり落ちる。
カトリツクに縁があつたら
きつとクルスにすがつてゐたらう。
クルスの代わりにこのやくざ者の眼の前に
奇跡のやうに現れたのが智恵子であつた。
                --高村光太郎

この文章がすっと私の中に入ってき,理解できた.
光太郎は,救われたのだろう.

レビュー投稿日
2012年2月27日
読了日
2004年2月27日
本棚登録日
2012年2月27日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『智恵子 その愛と美』のレビューをもっとみる

ツイートする