[図説]人魚の文化史:神話・科学・マーメイド伝説

  • 原書房 (2021年2月19日発売)
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感想 : 4
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何をきっかけで図書館の予約かごに入れたか既に思い出せないが、たぶん何かの書評で見たのをきっかけに借りて読了。苦戦した。
何しろページ数が多い。文字が多い。参考文献が多い。唯一、多くて楽しかったのは図版だけ。[図説]とついていたのは伊達ではなかった。
「人魚の文化史」というタイトルではあるが、頭に「キリスト教文化圏における」という但し書きが必要だと感じた。あと、副題に「仕組まれたジェンダーとしての人魚」とかなんとかついていてもいいかもしれない。
というわけで、キリスト教文化圏における「人魚」の取り扱われ方について時代ごとに考察した大部の本なのであるが、予想以上に女性性との関連付けが多くてちょっと辟易した。日本語の「人魚」には一応性別の限定がないが、半人半魚の生き物のことを話すときに最も一般的な英単語だと思われる「マーメイド」は女性型の生物を指している。男性を指す「マーマン」、性を限定しない「マーピープル」という語も存在はしているけど影が薄い。で、マーメイドはその成立初期においてキリスト教会により女性性を貶める目的で使われていたというのだから驚きだ。キリスト教、なんでもありすぎでしょ……
人魚標本の展示で大儲けしたバーナムの話とか、銀幕で人魚を演じた女優の先駆けケラーマンの話とかは各論としてなかなか面白かったが、何しろいろんなことがてんこ盛り過ぎてお腹いっぱいです。
日本の人魚にもちょっとだけ触れているが、欧米で有名になった人魚の剥製標本のことがほとんどで、八百比丘尼とか人魚の肉が不老不死とかの話は全く出てこなくてがっかりだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 京都市図書館
感想投稿日 : 2021年10月4日
読了日 : 2021年10月4日
本棚登録日 : 2021年10月4日

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