サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社 (2016年9月8日発売)
4.31
  • (1008)
  • (748)
  • (255)
  • (39)
  • (12)
本棚登録 : 11616
感想 : 739

だいぶ前に話題になっていて、読みたいと思っていた人類史についての本。図書館で予約しようと思ってもかなりの予約数でなかなか回ってこなかったけど、なんとか安く手に入れられたので、ようやく読めた(ブクログ登録数もすごい数だ)。
現在は、人類全員、「ホモ・サピエンス」だそうだけど、昔はいろいろな人類種があったということがよく分かった。「ネアンデルタール人」はよく聞くけど、他には「ホモ・エレクトス」というのは200万年近く生きたそうで、現在のところ最も長い生存年数だそう(ホモ・サピエンスはだいたい20年前に誕生したらしい)。他の種族が絶滅した理由は、はっきりとは分かってないそうだけど、ホモ・サピエンスによって滅ぼされたのだろうなとは思う。
ちなみに、1対1だとホモ・サピエンスより、ネアンデルタール人のほうが強いそうだけど、ホモ・サピエンスのほうが知能が高いため、ネアンデルタール人は滅んだのだとか(同じことは、後の大型の絶滅動物にもいえるそう)。
後は、知能が高まったことにより噂話を流すことができ、それが大規模な集団を動かすことができるようになったのだとか。噂話の発展形が、神話とかになるようだけど、確かに、そういうものが動かす力ってすごよなと思う。
直立歩行することになった代償で、女性の産道が狭まったため、まだ未熟なまま子どもを産むことになったという話で、ちょっと悲しい気持ちになった。他の哺乳類の動物見たら、産まれてすぐに歩行ができたりするけど、人間の赤ちゃんなんかまったく動けないしね。新生児の時の姪を見た時は、ほとんど臓器の塊だと思った。
ちょっと驚いたのが、虚構の話を作るのは人間だけだけど、嘘をつくのは人間だけじゃないらしいということ。猿の中には、「気をつけろ! ライオンだ!」という意味の鳴き声を発するものがいるらしいのだけど、ライオンがいないのにその泣き声を発して仲間を遠ざけ、バナナを独り占めするなんてことがあるのだとか。
後、古代の狩猟採集民は、小さな集団で動き回るから感染症の被害が少なかったらしい。しかも案外健康的で、子どもの時に死ななければ、60歳ぐらいまでは生きたのだとか。確かに、狩猟採集民って体鍛えられてそうだしなぁ。動き回ることも多かっただろうし、健康体だったのかもしれない。
たいして、産業革命が起きた後の農耕民は、ヘルニアにはなるし、食材も偏ってるし、感染症の被害も多かったらしい。産業革命って人類にとって、一概にいいことばかりじゃなかったんだなと分かった。小麦にとってはかなり生息範囲が広がったので、むしろ小麦によって人類は働かされていたと考えもできるのだとか。その考えは面白い。
よくよく考えたら、IT革命で仕事が効率化されて楽になったかというとそうでもないしね。革命には犠牲がつきものということなのかもしれない。
性差別だとか人種差別だとかの、人類の差別的意識については、今後も解決しない問題なのだろうなと思う。能力が同じだったら差別する必要なんてないだろうに。少なくとも、自分が生きているうちは解決しないだろうと思う。
ちょっと気になったのが、3万5000年前に、海峡を渡って日本に人類が到達したと書かれていたこと。前に、昔は氷河期で日本と中国は陸で繋がっていたから行けたと聞いたような気がするのだけど、違ったっけ…。シベリアとアラスカは当時、陸続きだったから歩いて行けた、とは書かれてあるのだけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中古を購入
感想投稿日 : 2021年11月21日
読了日 : 2021年11月21日
本棚登録日 : 2021年11月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする