
本書が発売された2018年時点の、AIの研究がどこまで進んでいるかということについて書かれた本。
なんとなく聞いたことある話も多かったけど、本当、いろいろなことをAIで代替しようとしているのだなと思った。
社員にいろいろなことを質問されるから、自分の代わりにチャットで答えてくれるAIを作ってそれにこたえる社長の話はちょっと笑った。AIと知る前は社員は何の疑いもなく信じていたらしい。種明かししたら、また直接聞きにくるようになったのだとか。まあ、そりゃそうだよなと思う。AIに経営的な判断されたくないだろうし。そこまでやるのだったら、社員にもう少し一任させたほうがいいのではないかと思う。
そういえば、新井紀子氏について、「AIで東大合格を目指す新井紀子氏」と紹介されてあって、AIで東大合格を目指すのはあきらめたんじゃなかったっけ(確か2016年ぐらいに)と思って、調べてみたらどうやら誤報だったらしく、今でも続いてはいるらしい。共通テストにも対応しているのだろうか。
AIでおいしいビールを作る試みは、先日ネットで話題になった「遺伝的アルゴリズムで最高にエッチな画像を作ろう!」というサイトを思い出した。人間の選択により、改良されていくという試みはいろいろな応用ができるのだろうなと思う。まあ、協力してくれる人がいたらだけど。
なお、今ある業務が自動化される割合を国別に比較すると、日本はロボットの導入余地が主要国の中で最も大きいらしい。そういや、RPAって最近あまり聞かなくなったけど、どれぐらい代替できたのだろう。
AIの話ではないけど、ちょっと驚いたのがイランについての話。イランの大学進学率は71%もあるらしい。女性に限っても67%なのだとか。そんなに多いのかと驚いた(調べてみてみると、日本は現在58%ぐらいだそう。自分が大学進学するときは確か50%ぐらいだった)。女性の活躍も著しいらしく、イランは産業の主軸を天然資源依存型から、AIを含む知識基盤型にシフトしようとしているらしい。イスラエルはなんとなくAI人材が多いイメージがあったけど、イランでもそうだとは知らなかった。
後、日本・米国・インド・インドネシア・ベトナム・タイ・中国・韓国のITエンジニアなどを対象にしたアンケートで、給与・報酬にたいして「満足している」と回答したのが最も少ない国は日本らしい(たった7.6%。二番目に少ないのが韓国の13.2%で、一番多いのが米国の57.4%)。なんというか、そりゃあ日本ではITの人材少ないよなと思う。同じことは保育士とかにもいえるだろうけど。一応言っておくと、自分は今の会社の給与には満足している。
後、ビックリしたのがAIワトソンの利用料について。非公表だそうだけど、年間で1億~3億円かかるとわれてるらしい。普及させる気あるのか…。
- レビュー投稿日
- 2021年2月20日
- 読了日
- 2021年2月20日
- 本棚登録日
- 2021年2月20日