ユニバーサルデザイン書体フォントのUDデジタル教科書体を開発するまでのことを書いた本。
もちろん、この本もUDデジタル教科書体で書かれてある。
まだまだ見慣れないフォントなので、最初違和感あったのだけど、文字サイズが小さく見えるわりに読みやすいような気はした。
ディスレクシアは日本語話者の5~8%いるということに、思ったより多いと驚いた。そういう人でも読みやすいフォントということで、これからもっと普及していくのだろうなと思った。
教科書のフォントをUDデジタル教科書体にしたら、読めるようになったという子どもの話は、フォント制作者としては感動的な話だろうなと思う。いい話だと思う。
フォントってあまり意識したことはなかったけど、読みやすさというのは本当に重要なのだと思う。
開発秘話の話は、いろいろ苦労してきのだろうなと感じだった。フォントって、作るのも大変なわりに儲かるようなビジネスでもなさそうだし、大変なのだろうなと。
最初は、文字デザインの開発なんかビジネスにならないと思われていたみたいだけど、そんな中でここまで続けてこられたのはすごい。
雲形定規という、曲線を描くための定規は初めて知った。そんな定規を使って、曲線を描くものなのか。
文字が見えにくくなる理由の一つに、背景が白いとまぶしくなるからと書いてあって、なんとなく分かる気はした。自分も、Kindle端末では背景を黒、文字を白にしてるけど、そっちのほうが読みやすい気がしてる。
明朝体のフォントの「つきだし」や「ウロコ」って何のためにあるのだろう。中には、この部分が気になって、読みづらいと感じる人もいるらしいけど。
著者は、会社では一時期、役に立っている実感がない状況になったようで、そのままうつ病とかにならなくて本当によかったなと思う。上層部に味方がいてくれてよかった。
最後のほうに書かれていた「筆順フォント」というのを初めて知ったし、面白そうだと思った。どういう仕組みなのだろう。時間ができたら調べてみようと思う。
- 感想投稿日 : 2023年11月16日
- 読了日 : 2023年11月16日
- 本棚登録日 : 2023年11月16日
みんなの感想をみる