世界的ベストセラーの下巻。上巻におとらず奥が深い。
日本についてだけ語られた章はないけど、ところどころに日本についても書かれてあって面白かった。
識字率が100%の国の例としてあげられてたり、日本人は「l」と「r」の区別ができないと書かれてあったり。
なお、日本人がアルファベットやカナ文字でなく漢字を使うのは、漢字の社会的ステータスが高いからなのだとか。そんな風には考えたことなかったから新鮮だ。
後、日本の話でいうと、1600年頃は世界でもっとも高性能な銃を多く持つ国だったとか(なのに今は、銃をもっている人はほとんどいない)。確かに、1600年の関ヶ原の戦いでは鉄砲で戦ってるイメージがあったけど、そんな優れていたのかと驚いた。
多くの場合、「必要は発明の母」ではなく、「発明は必要の母」という話はなるほどなと思った。案外、役立つか分からないような発見でも、未来には役だったりするしね。
蒸気期間についても、発明されてから結構な年月がたって普及したらしい。発明についての歴史については、それだけで一冊の本として読んでみたいと思えた。
オーストラリア周辺のオセアニアの歴史については全然詳しくなかったのだけど、なかなか面白かった。
ニューギニアは面積の割に言語の多い地域だとか。島々の生活だけど、結構多様性に富んでいるのだなと思った。
病原菌についての話は、コロナ禍の今読むと、感慨深い。COVID-19に限らず、中国発祥の病原菌は多いよう。
後、「日本は、日本語の話し言葉を表すには問題がある中国発祥の文字の使用を今だにやめようとしていない」と書いてあったけど、どういうことなんだろう。確かに、漢字が読めないと思うことはあるけど、話し言葉を表すのに問題があると思ったことは無いなぁ。
不思議だったは、マダガスカル島。アフリカから比較的近いのに、東南アジアから人がやってきたと考えられてるらしい。どうやってこの島に流れ着いたのだろうか。
そういえば、文系・理系という分け方は日本独特なんて話をどこかで聞いたことがあるけど、エピローグで「歴史学は、通常、理系の学問ではなく文系の学問に近いと考えられている」と書かれてあって、日本だけの考えじゃないのかと思った。調べてみると、世界にもあるけど、日本ほど断絶されてる国は珍しいらしい。知らなかった。
- 感想投稿日 : 2023年5月24日
- 読了日 : 2023年5月24日
- 本棚登録日 : 2023年5月24日
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