2015年に亡くなった元任天堂社長の岩田聡さんの言葉を抜粋して収録した本。
本当、素晴らしい人格の人で、惜しい人を亡くしたと思う。亡くなった当時は、「ジョブズを尊敬しているからといって、早死にする点はマネしなくても…」なんて思ったものだ。訃報を知ったのは勤務中だけど、その日は動揺して仕事に身が入らなかった。
自分の作ったものを喜んでいるユーザーが身近にいるというのは、モチベーションアップにもなったのだろうなと思う。高校時代に作ったゲームを楽しんでくれた友人は、その後も親交があったのだろうか。
「どんな課題があるのかを見つけて分析して解決する力」が自分にはあると思えるのは、本当にすごいと思う。課題を見つけるのも、解決するのもなかなかできることじゃない。そりゃあ、任天堂がV字回復できたわけだ。
一つのアイデアで、複数の問題を解決できるのが「いいアイデア」というのは、本当にそうだろうなと思う。これは、岩田さんというより宮本茂さんの考えだけど、そういう考えで仕事をしているから、いいゲームが作れるのだろうなと思う。
社内でときどき、岩田さんのことを「カービィ」と呼ばれていたという話には笑った。そんなよくお菓子を食べる人だったのか。まあでも確かに、食べそうな雰囲気はあったかもしれない。
「コンピュータにできることは、コンピュータにやってもらえばいい」というのはまさにそうだと思う。今はまさにChtGPTを含む生成AIで簡単なプログラムを作ってもらえる時代だけど、まだまだ人手でやってしまっているところが多いので、うまくコンピュータにやってもらえるようになっていきたい。
岩田さんの葬儀の後、「岩田さんは、どのぐらいの確率で、自分が治ると思ってたんでしょうか」と糸井さんが訊いた後、宮本さんが「それはもう、完全に治るつもりで、死ぬつもりはまったくなかったでしょうから」と語った言葉は、悲しくなった。
それこそ、存命であればいまだに社長だったかもしれないし。
「名刺のうえでは、わたしは社長です。頭のなかでは、わたしはゲーム開発者。しかし、こころのなかでは、わたしゲーマーです。」という言葉は本当、名言だと思う。この言葉については、初めて聞いた時から心に残ってる。
まさに、岩田さんの生き様が分かる言葉だと思う。
- 感想投稿日 : 2023年11月12日
- 読了日 : 2023年11月11日
- 本棚登録日 : 2023年11月12日
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