Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち

制作 : 和田卓人 
  • ラムダノート (2020年8月7日発売)
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本棚登録 : 159
感想 : 14

株式会社VOYAGE GROUPのソフトウェア技術者へ、様々なサービスについての改修についてインタビューした本。
個人的にVOYAGE GROUPというと、ECナビ等のポイントサイトの印象が強いのだけど、どちらかというと広告事業がメインなのかなと思った。
長い歴史のあるサービスだと、どうしてもレガシーな部分というのがでちゃうものだけど、その改修というのは大変なんだろうなと思った。
だいたい、こういうレガシーシステムの改善の話と言うと、ユニットテストがどうのという話が多い印象なのだけど、テストについてはあまり書かれてなかった印象。まさかテストを書いてないのかと思ったけど、読み進めるにつれて、テストを書くのは当然すぎてわざわざ語ることではないということなんだろうなと感じた(インタビュアーがテスト駆動開発で有名な和田卓人さんだし)。
オンプレミスを選択するメリットとして、「会計上の資産になる」ということが書かれてあってなるほどと思った。クラウドの利用だと負債扱いだけど、自社サーバだと資産扱いということなんだろうか。案外、会計的にはオンプレミスのほうがいいということなのかもしれない(そんな単純なことではないけど)。
ビッグデータの処理については詳しくないのだけど、Amazon EMRよりは、Google BigQueryのほうが速いとのこと。EMRで30分かかることが、BigQueryでは3秒になったらしい。その違いを実感した時は、確かに感動的だったんだろうなと思う。
管理画面の実装は汚くていいというのはかなり自分にも心当たりがある。セキュリティもたいして気にしなくていいだろうしと思ってのことだけど、やっぱ保守についても考えて開発したほうがいいのだろうな。
古いドキュメントを有効だと思って参照してしまう話も心当たりがある。最初のリリース時に資料を作るけど、以降の改修では資料を更新しないとか。まあでも、前に何かの本に書いてあったけど、今動いているコードが仕様という考えにしたほうが、手間もかからないしいいのかな。仕様を分かりづらくしないインタフェースにするというのが一番大事なんだろうなと思った。
それにしても、いくらレガシーなシステムだからといって、データベースに1200を超えるテーブルがあるという話は驚いた。Yahoo!ぐらい様々なサービスがあるなら分かるけど、ECナビ一つで何でそんなに数が多くなるのかと。そりゃ、情報が重複してるし誰も管理できないだろうなと思う。他のWebサービスではどれぐらいのテーブル数なのだろうか。
ISOに性別に関する規格があることを初めて知った(ISO 5218)。今でも、性別を選択するサービスに、男と女しかないことあるけど、こういう概念は変えていかないといけないのだろうな。
システム開発において、依頼する場合はなぜ必要かを聞くようにしているというのは大事だと思う。なぜが分かれば、他のいい方法を提案できるかもしれないしね。たまに、「画面をこう変更して」としか言わない人いるけど、なぜかも伝えてほしいとは思う(だいたい理由を予測できることではあるのだけど)。
依存ライブラリを毎週更新する(ガーデニングというらしい)ようにしているという話は驚いた。それだけテストをしっかりと書いてるということなんだろうなぁ。ただ、やっぱり工数はかかってしまうらしく、VOYAGE GROUP内のfluctというサービスも昔は頻繁に更新してたそうなのだけど、やめたらしい。
本題と関係ないけど、就活サービスの『サポーターズ』を担当している、@nekoya という方のプロフィールで「就活サービスをやっているけど、就職活動をしたことがないのが悩み」というのに笑った。そんな人もいるのか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年11月14日
読了日 : 2021年11月14日
本棚登録日 : 2021年11月14日

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