ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

  • 新潮社 (2021年6月24日発売)
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感想 : 47

前から書名だけよく聞いていて気になったので読んでみた。
小説なのかなと思ったら、イギリスのブライトン在住の日本人女性(著者)の母とアイルランド人の父を持つ男の子の日常をつづったエッセイ本だった。2019年に本屋大賞のノンフィクション部門の大賞をとっていたらしい(タイトルの意味を考えずに読んでたけど、だから「ぼくはイエローでホワイトで…」なのかと納得がいった)。
内容としては、人種差別や格差問題やLGBTといった、イギリスで暮らしてて感じる社会問題について書かれてあり、男の子がすごいしっかりした考え方をもたれていてすごいなと思った。
他にもいろいろイギリスと日本の違いも知れて面白かった。イギリスの中学には「ドラマ(演劇)」という科目があるとか、スノータイヤをつけて走る習慣がないとか雨が降っても傘をささないことが多いとか。後、緯度でいえば札幌より北なのだから、すごい雪降りそうな印象だと思うのだけど、スノータイヤつける習慣がないと知って驚いた。
他は、「ライフ・スキル教育」というのがあるそうなのだけど、すごいよく考えられた教科だなと思った。日本でいうと、「道徳」という科目があったけど、あれより深い感じなのかなと思った。「哲学」に近いかもしれない。
後、イギリスの貧困層も大変なんだなと。お腹をすかせている子のために、教員が自腹で何か食べさせるって、いろいろ問題だよなと思う。教員のやることじゃないだろうし。日本では「こども食堂」というのがあるそうだけど(自分も詳しくは知らない)、イギリスにはそういうとこないのだろうか。
ちょっと驚いたのが、「ハーフ」という言葉が差別的だと問題視されているという話。まあ、確かに半分と言われてるようなもんだからなぁ。だから最近では「ダブル」といわれることもあるそうだけど、男の子としては、それもおかしいだろうとのこと。日本独特の言い方だそうなのだけど、海外では自国の人間と外国人との間にうまれた子についてさす言葉はないということなんだろうか。
後、男の子の「人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。……罰するのが好きなんだ」という言葉にハッとさせられた。ネットの炎上とかまさにそうだよね。いじめてるわけではなく、変な正義感で罰するために炎上コメントを書いてる人が多いのだろうと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 電子書籍を読んだ
感想投稿日 : 2021年10月9日
読了日 : 2021年10月9日
本棚登録日 : 2021年10月9日

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