デスマスク (岩波新書)

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本棚登録 : 81
レビュー : 10
著者 :
雨里さん 美術史・図像学   読み終わった 

「サケル」の意味の両義性(聖なるものと呪われたものの二重性)について、繰り返しが多いのが玉に瑕だけれど、なかなかに卓越した議論を展開している。デスマスク論というのもあまり見かけないのでそれだけでも独創的。古代ローマにおける蝋人形(イマギネス)から中世における王の葬儀の儀礼(王の二つの身体)、ポール・ロワイヤル(ジャンセニスト)、マリー・タッソー、近代における英雄・天才神話など、時系列にそってデスマスクの意味の変遷をたどった小著。革命期の重要人物たちが王権を否定しながらも、権威の正当化として王の儀礼を模倣せざるをえなかったという逆説的な事実が面白いと思った。
 ちなみに日本でデスマスクといったことが行われたのは明治に入ってから、大鳥圭介によるものが初めてらしい。

レビュー投稿日
2014年5月7日
読了日
2014年5月5日
本棚登録日
2014年5月7日
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