「城」「変身」は灰色の小説という印象だった。
この「審判」は灰がかった青。
続けてカフカを読んだが、読めば読むほど村上春樹でどんどんいけすかない。
彼の作品ではどの人物にも、もちろん主人公にも、全く感情移入ができない。
みな軽薄で己しか可愛くない、思いやりはどこにもない。
突拍子も無い描写では彼らを愛するのは不可能。
審判は特にそうだった。
カフカは組織のシステムに何か深い憎しみがあるのだろうか。
特に役所絡みの。
理不尽、を描くにはあまりに長すぎる。
そしてあまりに不足しすぎている。
カフカの美意識、求めるもの、わたしはそれらに全く共感できない。
恐らくもう彼の小説を読むことはないだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年10月12日
- 読了日 : 2014年10月12日
- 本棚登録日 : 2014年10月12日
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