審判

著者 :
  • 青空文庫 (2011年1月5日発売)
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本棚登録 : 14
感想 : 3

「城」「変身」は灰色の小説という印象だった。
この「審判」は灰がかった青。

続けてカフカを読んだが、読めば読むほど村上春樹でどんどんいけすかない。
彼の作品ではどの人物にも、もちろん主人公にも、全く感情移入ができない。
みな軽薄で己しか可愛くない、思いやりはどこにもない。
突拍子も無い描写では彼らを愛するのは不可能。

審判は特にそうだった。
カフカは組織のシステムに何か深い憎しみがあるのだろうか。
特に役所絡みの。
理不尽、を描くにはあまりに長すぎる。
そしてあまりに不足しすぎている。
カフカの美意識、求めるもの、わたしはそれらに全く共感できない。
恐らくもう彼の小説を読むことはないだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年10月12日
読了日 : 2014年10月12日
本棚登録日 : 2014年10月12日

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