島本理生は、私と同年代の作家だ。
この作品の舞台は(物語の中で明示されないけれど)90年代後半~2000年代前半くらい。
十代後半の主人公の居る世界は、場所こそ違っていても、私が十代後半を過ごした時間とほぼ同じ。だから、その空気感や雰囲気はよくわかる。
あの頃は、いろんな意味での過渡期。
高校生でも携帯電話を持つようになってきたり、カメラがフイルムからデジタルへと変わりつつあったり。
その点でひとつ思うことがある。
この作品が発表されたのは2010年12月。日本でiPhoneが発売されたのは2007年夏。カメラは、もうデジタルが当たり前だった(もちろん、フイルムを使う人もいるのだけど)。
つまり、今の若者が読むと、どう感じるのだろうか?と。
この上巻は、常にいろんな不安がつきまとう。
読むのを止めてしまおうかと思ったけれど(続きが恐い)、それでも読み進めた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年6月4日
- 読了日 : 2015年6月3日
- 本棚登録日 : 2014年8月31日
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