audible21冊目。
『母という呪縛 娘という牢獄』を読了し、こちらの本も読むことにしました。
石井光太さんの著作は、貧困をテーマにしたものをいくつか読んだことがあります。
世界の貧困問題はもちろんですが、見えにくい日本の貧困にも切り込まれていて、とても勉強になります。
この本のテーマは、教育虐待。
いわゆる金銭的な「貧困」家庭とは対極にあるような、子どもにじゅうぶんな(過度な)教育環境を与えられる家庭が舞台になります。
暴力やネグレクトであれば、何らかの形で周囲が気づき介入できるけれど(それでも、手遅れになってしまったり、見て見ぬふりをしたりという例が絶えないわけではあるけれども)、
「子どものためを思って」の教育虐待は、確かに気づきにくいと思いました。
また、学習面だけでなく、スポーツや芸術面での教育虐待もあるとのこと。
どこからが虐待になるのか定義は難しそうだけれど、
やはり、子どもが本当に望んでいるのかどうか?に行き着くのかなと思います。
でも、幼い子どもであれば、基本的には親の言いなりになってしまうのではないかなあ。
それで、思春期あたりになってから、親への反発や抵抗、自己肯定感の低さから、何らかの形で子どもが壊れてしまう。
不登校、引きこもり、うつ病、自傷行為、非行…
子どもへの愛が歪んでいってしまうのか、それとも、叶えられなかった自分の欲求を満たすためなのか…
全ての「親」に、程度の差こそあれ、ひやりとする部分があるのではないかなと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
早川書房
- 感想投稿日 : 2025年1月3日
- 読了日 : 2024年12月30日
- 本棚登録日 : 2024年12月22日
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