内地へよろしく (河出文庫)

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本棚登録 : 44
レビュー : 5
著者 :
上印食/真さん 久生十蘭   読み終わった 

報道班員として南洋の前線に出た画家の目で見た戦争と人々の暮らし。
追い詰められて死が目前に迫っている前線の人々の明るさと逞しさ、自分の死よりも国を優先させる考えが浸透している当時の人々に悲しくなりました。
軍人のみならず内地や南洋の一般人の考えもお国が優先の世界は純粋で美しいけれどとても脆くて歪で読んでいて辛くなります。日々爆撃を受け命の危険に晒されながらも内地から届いた慰問の手紙への返事に真剣に悩む分遣隊の人々の優しさに胸がつかえ、子供のように純粋なカムローの死に涙しました。

前線での爆撃の描写や物資の不足でサバイバル状態の分遣隊での日々の書かれ方は作者自身の報道班員経験が生かされておりとてもリアル。久生十蘭と言う作家の筆力の凄さをこれでもかと見せ付けられます。

レビュー投稿日
2017年4月8日
読了日
2017年4月8日
本棚登録日
2017年4月8日
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