(015)庭 (百年文庫)

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本棚登録 : 69
レビュー : 18
上印食/真さん  未設定  読み終わった 

庭がテーマの三編。
穏やかな日の当たる世界を思ってみればどれも癖のある作品ばかり。

『庭の眺め』は自庭を隣人に好き放題されているのをすべて赦せる語り手の達観した姿に敬服します。なぜここまで赦せるのか…。
『白いウズラ』の庭造りに人生を注いだような妻を理解しようともがく夫の闇が怖かったです。妻がこれは自分だと言った白いウズラを空気銃で発作的に撃ってしまう姿にどれだけ不満や鬱屈が積み重なっていたのかと哀れみを感じます。
『金魚撩乱』はこの本の半分以上の量を占めており、読みごたえがありました。
浮世離れした美しい隣人への屈折した愛を美しい金魚を作り出すことへ変えて苦節十四年、その意外な結果に呆然としました。
文章に含まれた艶が男の品種改良の苦節と愛の苦悩を彩り、濃い物語でした。

レビュー投稿日
2019年4月30日
読了日
2019年4月30日
本棚登録日
2019年4月30日
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