ベストセラー推理小説家のワイク、そして彼の妻の浮気相手のティンドルしか出てこない映画。
本当に出て来るのは二人だけ。舞台はワイクの家だけ。
テーマはおそらく男の嫉妬で、女とは違って取っ組み合いになって嫉妬心を剥き出しにしないという事が、全編で描かれている。
ワイクはおそらく自分に体力があれば迷わず最初ティンドルを殺していたでしょう。
それをしなかったのは衰えているから。
なら何故最後ティンドルを殺したのか。
私は男の同性愛描写はあまり好きではないので、違う見方をしました。
自分と一緒に住まないか、と言い、自らの知り合いや富をひけらかした時のティンドルの反応を見て、彼は妻を思い出したのだと思いました。
一変して自分に媚を売るティンドルは、自分の愛した妻を奪い、愛した。嫉妬と共感がごちゃ混ぜになって、憎しみと親近感の間で揺れていたのではないでしょうか。
そして最後、自分に触るなと怒り妻のコートを着て出ていくティンドルに、嫉妬と共に浮気し捨てた妻に完全に重なった故のあのラストだと思います。
途中何度か妻が家に向かって運転する車のシーンがありました。ティンドルが死んだ時、二つの車の間に止まった妻の車。
試合終了の合図とも取れるし、二人が完全に決別したという比喩にも見れるし
これから殺される、というようにも見えます。
この映画はこういう語らない部分を考える映画だと私は思います。
そこを私は顔面通り受け取る姿勢をしていたので、見終わった時「?」となってしまいました。
あと最初30分程のシーンはもう少し短縮してテンポよく行ってくれたらもっと入り込めたと思います。
- 感想投稿日 : 2013年10月14日
- 読了日 : 2013年10月14日
- 本棚登録日 : 2013年10月14日
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