ジャケ借りしました。装画はjunaidaさん♡
本書は62人の作家による短編集。
コロナ禍の夏休みにwebサイト「tree」に発表された物語を一冊にまとめたものらしい。
実話、ほっこり、ミステリー、ホラー、SF、児童文学…ジャンルは色々で、コロナ禍が描かれた話もあればそうでない話もあり。緊急事態宣言下の自粛生活、在宅ワーク、休校、分散登校etc、ああそんな事もあったなと忘れつつあることに気付く。
ほとんど知らない作家さんなので、新たな出会いによって読書の幅を広げたいな。
特に印象に残った話(現実的な話が良かった)
【争いのない国】矢野隆
長いこと戦争が続いている。国王ですらなぜ敵国を憎んでいるか分かっていないのに、負けられないという理由だけで戦い、みな疲れ果てていた。前線の兵士が「もう止めよう」と言ったことから皆が武器を捨てて戦争が終結する。
【Stay at home with an alien】大倉崇裕
宇宙人が現われ地球が欲しいと言うが断る。今地球は大変だけれど、自粛生活で国から少しお金を貰えたし、人に会わなくていいし、洋服も散髪も気にしない毎日がとても楽しいから。
【顕微鏡のなかの未来】小前亮
帝国大学と対立していた北里柴三郎の話。
【ライラックの箱舟】小林深雪
やったあ!休校になった。でもリビングがパパのオフィスになり、「静かにして」と注意されてばかり。そこで庭にキャンプ用のテントを出してもらった。ここは私の秘密基地。
【美しい瞬間】山内マリコ
突然の全国一斉休校に不登校のアキちゃんは大喜び。家の屋上で踊ったり歌ったりテントやビニールプールまで出現。学校が再開したらそれも見なくなった。“自粛”しているのかな。
【寄り道小道】大崎梢
ある家の庭先で同い年の盲目の少女と出会い、マスクを付けていない彼女が「誰?」と近づいて来た。「マスクをつけてほしい。私のお母さんは病院で働いているから、近所の人や友だちに恐れられているの。うつしたら悪いと思う」
- 感想投稿日 : 2023年6月3日
- 読了日 : 2023年6月3日
- 本棚登録日 : 2023年6月3日
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