官僚村生活白書

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  • 新潮社 (2010年6月1日発売)
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本書が書かれた2010年は、その前年に自民党の自爆政治から棚ボタ勝利を収めた民主党政権が「脱官僚政治」「政治主導」というスローガンを掲げていた時代です。ご存知のように、官僚無しでは予算編成さえできなかった民主党政権は2012年の総選挙で大敗しました。その時に、すべての省庁人事を官邸が主導するという国家公務員法の改正を行っています。つまり、いま野党がしきりに問題視している安倍政権の国家公務員の定年延長人事は、もともと彼らが目指していたものだったという、お得意のブーメラン再現となっているわけです。
頭のいい官僚たちは、省益と自身の天下りや接待利権などを死守しながら政治家を操る、これが可能なのは、多くの政治家が元タレントや世襲議員だとかの無学で政策立案能力のない素人集団だという点にあり、官僚の知恵や協力無くして政権運営さえままならないからです。
そんなタイトル通りの「ムラ社会」官僚の世界を、婚活事情や官舎での夫人外交の実態などから私的に展望したのが本書です。(なお、本書の中でガソリーヌ山尾氏に憧れる女性官僚の話もでてくる)
官僚と言えど、狭き門の国家公務員採用一種試験に受からなければ出世コースとは言えず、さらに配属先によってはキャリア官僚とさえみなされない(一流なのは大蔵、外務、警察、通産などで、国税や特許などの外局配属では一種試験合格者でさえキャリアと呼ばれないらしい)。さらに、官僚は大きく事務官と技官(テクノクラート)にわかれ、当時は技官が次官ポストにつけるのは国交省と文科省のみという不遇な状況が続いていたようです。(今は、変わったのかな?)
できれば、自民党政権下での閣僚の実態に迫った第2弾を期待したいものです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年6月15日
読了日 : 2020年6月15日
本棚登録日 : 2020年6月15日

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