寄生虫なき病

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本棚登録 : 419
レビュー : 39
制作 : Moises Velasquez‐Manoff  赤根 洋子 
mysterymanboさん  未設定  読み終わった 

表紙のインパクトある写真にまず興味がそそられる。
著者の自らの人体実験は、知的探求心と自己のアレルギー疾患改善のためになされた行為で、既にその効果が報告されていたので、一概に無謀とは言いきれない。
著者はコロンビア大学卒のサイエンスジャーナリストということもあり、多くの文献や症例を取り寄せ、その驚異的な効果が偶然ではないことを帰納法的に証明しようとする。
寄生虫治療や糞便移植など、現代医学の公衆衛生学の観点からすればトンデモ療法に分類されてしまうのだろうが、人間本来のもつ免疫力はまさに自然と繋がった生活の中で発揮されうるものだという点は示唆に富む。
こうした本は、製薬会社にとってみれば禁書扱いされる運命なのだろうが、ワクチンや抗生物質重視の現代医療への盲目的な過信を改めるきっかけになりえる本です。
現代人の生活は、清潔や消毒、除菌などに偏重しすぎるあまり、本来備わっている人間と微生物(寄生虫、細菌、ウイルスなど)との共生を蔑ろにしてきた結果、多くの現代病(アレルギー疾患、炎症性腸炎疾患、膠原病など)を誘発してきた事実は謙虚に受け入れるべきです。

病気を治そうとして服用した抗生物質が、実は別の病気を悪化させる・・福岡伸一氏の解説も含め知的刺激に満ちた良書です!

レビュー投稿日
2019年6月30日
読了日
2019年6月30日
本棚登録日
2019年6月30日
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