日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません

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著者 :
mysterymanboさん  未設定  読み終わった 

3章までは入門書ですが、後半はむつかしいです。
以下、著者の提言を紹介します。

日本の慢性的な経済の停滞を解決したいのなら、デフレ解消よりも潜在成長率をあげることを優先すべきです。(P109)
そのためには、規制撤廃による自由競争での生産性向上だ。(P110)
安全保障問題は戦略的に考える必要があるが、輸入規制のほとんどは特定業者を守るための政治活動であり、多くの国民から巧妙に富を盗んでいるだけ。(P127)

農産物の輸入化は与野党揃って反対の立場ですが、これは食料自給率の問題と農家保護という2面から正当化されていますが、筆者はナンセンスだと一刀両断。そもそも食料が自国の安全保障に密接にかかわるのは当然だが、その前に石油が無ければ化学肥料もつくれないし、食料を都市に運ぶこともできない、さらに農家保護のために高いものを買わされる国民、さらに彼らの補助金の原資も税金ですが、もし食料不足という事態になった場合に農家が都会のサラリーマンに率先して分配してくれるのでしょうか?平時には既得権益で高い農作物を買わされ、有事には買えないという状況は否定できません。それよりも、友好国から安いものを購入できるルートを多く確保しておく方が賢明。(P198)

規制緩和は学校教育にも及びます。(P204)教員免許も既得権益の1つで、一度先生になったら、どんなに能力が低くても首にならないという競争の無い世界に安住できてしまう点も、不正が起きてもかばいあうという隠ぺい体質の温床になっているのでは?能力と意欲のある人間を外部から積極的に受け入れることで風通しもよくなり、教育の多様性も期待できるはず。

さらに、規制による不便さ(銀行の窓口は午後3時、裁判所は平日の昼間)は、競争の無い世界だから許される特権に他ならない。(P213)

最後に、経済の仕組みを解説した本書を読んでも状況がイマイチよくわからないのは・・
現在の米国と中国の貿易戦争です。米国の強硬姿勢に中国は苦しい対応を迫られているわけですが、中国が米国との貿易黒字で儲けたお金で米国債を大量に購入しているので、なぜ手持ちの国債を「売りに出す」と脅しに使わないのだろう、ここまで踏み込むと世界不況の引き金になるからと中国が大人の対応をしているのか、それとも水面下では落としどころの話し合いが行われているのだろうか?という点でした。

レビュー投稿日
2019年10月9日
読了日
2019年10月9日
本棚登録日
2019年10月9日
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