続編の方を先に読んだが、面白かったのでこちらも。
本書では、池上彰、寺島実郎、浜矩子、福島瑞穂、前川喜平、山口二郎、小沢一郎、鳩山由紀夫、海江田万里、小池百合子などが俎上に載せられ、彼らの言葉がいかに薄っぺらくていい加減かを論評したもの。続編同様、Z会の漢文顧問をしているだけあって、漢文の原典も併載しています。
内容は老人特有の「思い込み」「偏見」も多少ありますが、そうした「暴走」や「毒」も含めて楽しむ本です。
テレビで活躍する左サイドの人たちについては、「根本的哲学があっての発言ではなく、とにかく政府に反対することが左筋の本質。こんな気楽な商売はない」と一刀両断。建設的な批判ではなく、批判のための批判に終始している姿が痛ましい。
「弱者を救おう」という主張に対しては、なかなか正面切って反対できない雰囲気があるが、筆者は「難民を救おう、貧乏人を救おう」というのは活動家の偽善である。本当にそう思うなら、彼らが率先して援助してやるべきであるが、いつも高みからのスローガンで終わらせている、と手厳しい。
「嫌中嫌韓本」の出版を批判し、出版差し止めの動きがあるが、言論には言論で対応すべきで、「好中好韓本」を出せばいいだけの話、もし読者需要があるなら。
従軍慰安婦のデマ記事で有名な植村隆が、北星学園大学の非常勤講師の解任に対して、彼の支援者団体がシンポジウムで大学自治を批判した。その解雇決定そのものが大学自治なのに、自己矛盾に気づかない。
ジャーナリズムの本質とは、無責任・無能・無節操。(池上彰の考)
天皇制の存在自体に異議を唱えている共産党は、本来「改憲派」のはずなのに、「護憲派」のごとく振舞っている。くわばらくわばら。
加地 伸行(1936年〈昭和11年〉4月10日- )は、日本の東洋学者、漢文学者。大阪大学名誉教授、立命館大学フェロー、Z会顧問。号は孤剣楼。筆名は二畳庵主人。『漢文法基礎』の著者としても知られる。保守派の論客として知られ、産経新聞オピニオン面「正論」欄の執筆メンバーを務めており、2008年には第24回正論大賞を受賞した。新しい歴史教科書をつくる会賛同者でもある。
政治的スタンス:
徴兵制;
教育目的の徴兵制復活を唱え、2012年に国立大学の秋入学移行が論議された折には、高校卒業から大学入学までの半年間で新入生の心身を鍛え直すために自衛隊への正式な入隊を義務付けよと主張した。
天皇論;
天皇制について、「私の天皇像とは、天皇制を遂行できる天皇である。もしそれができない天皇ならば退位してもらいたい」「皇后の役目は、ダンスでもなければ災害地見舞でもない」と平成年間の皇室の在り方に対して、批判している。(ウィキペディア)
- 感想投稿日 : 2021年11月10日
- 読了日 : 2021年11月10日
- 本棚登録日 : 2021年11月10日
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