B面の夏 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 17
感想 : 6

作者が20代後半の頃の句集。
「B面の夏」夏の光の輝きに陰りを感じるタイトルです。
B面のような恋をしたときの句が集められています。
道ならぬ恋、必ず終りが来るとはじから覚悟した恋です。

たとえば、

  水着選ぶいつしか彼の眼となつて

自分か気に入る水着を選んでいたつもりが、
いつのまにか、彼に気に入ってもらえる水着姿かどうかを問う選択をしていたんですね。
そんな恋にも、ついに終りがきます。

  別れ来て夕焼けに置くイヤリング

いままでなら夜まで彼と一緒だったのでしょう。
夕刻に部屋にもどり、イヤリングを外す寂しさが浮かびあがります。

俳句というと年寄り臭さを感じるかもしれません。
ここにあるのは、若い女性の恋に揺れる心を封じこめた17文字です。

1ページに1句、17文字。
ありあまる余白に、読み手は思いを巡らせる楽しみがあります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 3138 黛 まどか
感想投稿日 : 2013年7月27日
読了日 : 2012年11月8日
本棚登録日 : 2013年7月27日

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