パロール・ジュレと紙屑の都

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本棚登録 : 494
レビュー : 48
著者 :
i-CHIHIROさん 4012 吉田 篤弘   読み終わった 

「彼はたったいま書物の頁から抜け出てきた。これは比喩ではなく。」
書きだしの1行でこの物語に首ったけになりました。

主人公の「十一番目のフィッシュ」は、言葉が凍りつく神秘を解き明かす任務を負い、本の中を転々としています。

物語の中の凍った言葉を「解凍」したら、どんな声が聞こえてくるのでしょう。

登場人物たちは、時がゆっくりと流れる国のある町で、
独りを大事にしがら、他の人との交わりを求めていて、
言葉を交わすわりには核心を言葉にせず、
それでいて共通に大切にしているものがあります。

短い章で様々な登場人物の視点から「パロール・ジュレ」(凍った言葉)が語られ、章が進むにつれ、丹念に物語が紡がれ、やがて全容がくっきりと浮き彫りになります。

それでも、この物語は決してすべてを言葉で語り尽くしません。
彼らが大切にしているものを、私たち読み手も共有できたらしめたもの。

レビュー投稿日
2013年11月10日
読了日
2011年1月17日
本棚登録日
2013年11月10日
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