和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか

著者 :
  • 講談社 (2012年9月13日発売)
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感想 : 6
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先日ニュースになったばかりの和牛オーナー商法、安愚楽牧場の詐欺商法及び同業のふるさと牧場事件に関する本。とは言え、詐欺商法はかねてから噂されておりそれが本当に詐欺であった事が明らかになったと言うだけのことで特に目新しさは無い。

著者は共同通信の記者で、自ら安愚楽牧場の記事を書くことでその実態を世に明らかにし、そして倒産へと追い詰めたわけであるが本書ではその取材の過程や詐欺と判断するに至った経緯等を改めて纏めたものである。また本書の後半はその詐欺商法摘発の前例ともいうべき「ふるさと牧場」の取材過程や顛末も改めて回顧されている。

が、しかし一方でふるさと牧場事件で和牛オーナー商法が話題になった際になぜ同業であり最大規模の安愚楽に関していま一歩突っ込んだ調査・報道がなされなかったのだろうかという疑問も湧いてくる。本書で記者自身が多忙にかまけて、と簡単に記しているが「えっ、そんな理由?」というものだしそれを書く純朴さにはやや鼻白む感も無きにしもあらず。

そもそも牛農家(または養豚・養鶏農家も)が過去そして現在も販売価格低下で苦しんでいるのを知っているのであれば、何故にして和牛オーナー商法だけが世の中の趨勢に反して安定的に配当を生む利益を出すことが確約できるのか素朴な疑問を持つべきであろう。

マルチ商法で一度味を占めた奴は一つの事業を潰しても次々と形を変えてマルチ商法を繰り返すという例が多いとは言うが、本当の悪い奴=頭の良い奴は本件が明るみに出る前には安愚楽牧場から大金を摘んで逃げ切っているということのようだ。人知れずまたどこかで詐欺商法を企んでいるのかも知れない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2012年11月5日
読了日 : 2012年11月5日
本棚登録日 : 2012年10月21日

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