この国の空 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2015年4月30日発売)
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本棚登録 : 151
感想 : 19
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夏に読むべき本。といいつつ、長谷川博己様信者なので映画のビジュアルから入った不純な動機で読み始めました。
戦争末期の物語というと悲惨さが際立つものが多いけれどこれは戦争末期をそれぞれの生き方で行き過ぎる人間模様を描いた小説だった。

妻子を疎開させたアラフォー男子の市毛、母子家庭となり伯母と母の仲を取り持ちつつ生きる里子。裏表紙のあらすじにもある通り二人が通じあっちゃうわけなんだけれど、
それがメインの不倫メロドラマというわけでもなく、ただ、昭和の男女関係という雰囲気は漂う。勝手ともいえず一途でもない。戦時下という特殊な状況でそれでも人の生きる力はすごい。

この関係の捉え方が二人とも全然違って面白かった。
当時の男性にとっての37才と女性にとっての19才は今とはずいぶん違うんだろうな。
里子のこれからが気になった。余韻の残る本だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月5日
読了日 : 2022年7月5日
本棚登録日 : 2022年7月5日

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