全6巻。映画化もした「グリーン・マイル」の原作ですね。
読み終わった後は複雑な気持ちになるのですが、胸に残るお話でした。
死刑囚との笑ってしまうようなやりとりを見ていると、その死刑囚が死刑判決を受けるような酷いことをしたなんて忘れてしまいそうになります。好意まで抱きそうになるし、実際死刑の場面では泣いてしまいました。(誰のことかは読めば分かると思います)
これは作られたお話なのに、読んでいるととてもそうとは思えないのです。登場人物の1人1人が良い面悪い面・以外な面を見せ、それが彼らが本当に生きていた人間のようにしか思えなくさせるのです。普段本を読んでいると、どこかこれが作り物であると感じさせる部分(別に悪いことでは無い。普通のことだ)があるので、それを全く感じず、「これは現実の話ではない」と逆に自分に言い聞かせながら読むのは、初めての体験でした。
個人的に印象に残っているのは、最終巻6巻の本当に一番最後、全てを語り終えた後の妻ジャニスの死の場面です。私は映画を先に見たのですが、確か映画にはこの場面は入っていなかったのではないかと思います。(驚いた記憶があるので。間違っていたら許してください)最後にこのシーンがあるかどうかで、この作品に対する暗さ?のようなイメージの度合いが増すのではないかと思います。それでも私はあったほうがいいと思いましたが。
ミスター・ジングルズは作品中の癒しでした。酷いこともありましたが、読んでいる方は皆あのネズミが大好きだったと思います。
全6巻ですが、1冊1冊が薄く文章も読みやすいので読むのも苦にはならないと思います。気に入ったら映画も借りて見て欲しいです。また、同じ作家さんで「ショーシャンクの空に」という刑務所物の映画があります。グリーン・マイルが暗い、と思った方はこちらの方が好みかもしれません。(原作のタイトルは「刑務所のリタ・ヘイワース」というそうです。こちらはまだ未読です)
- 感想投稿日 : 2008年8月7日
- 本棚登録日 : 2008年8月7日
みんなの感想をみる