フィネガンズ・ウェイク 1 (河出文庫)

  • 河出書房新社 (2004年1月7日発売)
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本棚登録 : 480
感想 : 16
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 これは誰もが認める、二十世紀最高の小説。けれどなぜこの本が「最高」とされ、誰もそれに異を唱えないのか? それには理由がある。批判するにも、誰もこの本を「読めない」のだ。原著はふんだんな言葉遊びでもって書かれた、何語かも分からないほどの崩壊した文章。そんな文章をさらに翻訳したのだから、もうとてつもないことになっている。ちょっと冒頭の一行だけでも読んでみようか。読んで頂ければ分かります。以下引用…………。「川走、イブとアダム礼盃亭を過ぎ、く寝る岸辺から輪ん曲する湾へ、今も度失せぬ巡り路を媚行し、巡り戻るは栄地四囲委蛇たるホウス城とその周円。」…………。読めない。これは読めない。「unreadable」の称号は伊達じゃない。言葉の宇宙というよりも混沌そのもの。作者はなんでこんなの書いたのかしら。わけがわからない。でもおそろしいことに今改めて頁をめくると「ちょっと読んでみようかな」という気が起こってしまった。もしかすると、いつかこれを読む日が私にも訪れるのかもしれない。その日を待って二十世紀最高の小説は、今も本棚の奥に眠っている。(けー)

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感想投稿日 : 2004年12月5日
本棚登録日 : 2004年12月5日

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